労働組合の武器となる「反日」
背景の一つとして「労働組合」の影響が大きいと崔氏は指摘する。「民主労総」という、メディア企業も含めて多くの企業労働者が参加する業界横断の労働組合があり、彼らが自らの主張を通すための手段として「反日」を材料に使っているのだという。組織力があるため、政治で彼らを抑えようとしても、選挙での動員力があるため、手が出せない。
さらに崔氏は、北朝鮮との関係についても指摘する。「反日活動をする市民グループや労働組合と、北朝鮮との関係も見逃せません。徴用工、慰安婦問題などの活動は、北朝鮮に近しい人たちが行っています。慰安婦の支援運動家の家族が北朝鮮のスパイ容疑で収監されるということもありました」。
大メディアなどの影響力は強いままだが、ここに来て新しい動きも出てきている。一部の大学教授などが一連の反日言説に対して、検証してユーチューブなどのメディアを使って公表するというものだ。
b「オールドメディアだけで、国民をリードするのは限界に来ていると思います。やっとマスコミの嘘がバレはじめています。ユーチューブのコメント欄を見ると『韓国の大手メディアがこんな嘘をつくのか?』という驚きの声もあがっています」
本書について、日本の読者だけではなく、韓国の若い読者にも読んでもらいたいというのが、崔氏の願いだが、簡単ではない。
「前述した反日問題を検証するユーチューブ動画を制作する大学教授の元に、韓国の大手出版社が、書籍化したいという申し出があったそうです。現場レベルでは企画を通したのですが、経営判断としてストップがかかったそうです」
事実として反論することができなくても、韓国には、こうした事実に聞く耳を持たない、持とうとさせない勢力の力がいまだに大きいのだ。