Wedge REPORT

2019年5月24日

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国際標準に日本の技術反映を

 その解決策として、2017年、データを共有するための「農業データ連携基盤(WAGRI)」の構築を目的に「農業データ連携基盤協議会」が国の主導で立ち上げられた。AgGatewayもWAGRIも共に、プラットフォームの構築によるデータの共有と標準化を目指しており、似通った部分がある。実際、AgGateway Asiaの設立メンバーは、既にWAGRIがあるではないかとの意見をたびたび聞いてきたという。

 それでも国内の研究者が中心になって設立に踏み切った理由としては、(1)国内の標準だけでなく、国際標準への適合も国内企業の競争力を高めるために必要、(2)アジアのモンスーン地域での水稲栽培の技術などを世界の標準にも組み込みたい、(3)AgGatewayの活動に参加し、世界の農業の情報を共有したい――などが挙げられる。東京大学名誉教授で、AgGateway Asia理事の二宮正士さんは、「日本独自のものを(国際標準に)取り入れてもらうことも可能」とメリットを強調する。

 イベントには、二宮さんのほか、農業のICT、IoT活用の第一人者である三重大学教授の亀岡孝治さん、中部大学教授の本多潔さんらが参加。第一線で活躍する研究者がそろった。  

 AgGatewayが世界標準を構築し得るのではと感じる一方で、国内企業があまり積極的でないのが気になった。農業には、高齢化と離農者の増加でピンチとチャンスが同時に到来している。突破口を開くためにも、研究者と現場の双方に歩み寄ってもらいたい。

  
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