赤坂英一の野球丸

2019年10月4日

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(tadamichi/gettyimages)

 この拙稿が読者の方々の目に触れるころには、4連覇を逃した広島カープの新体制作りが着々と進んでいるはずだ。今年で辞任した緒方孝市監督時代と同様、新内閣もまた生え抜きのOBが中心。カープ独自の野球を追究する球団と現場の方針には揺るぎなく、捲土重来を期して新たなチームづくりに邁進していくことになるだろう。

 しかし、いまのカープは3連覇中にはなかった大きなジレンマを抱えている。来年すぐに優勝奪回と36年ぶりの日本一を狙うのか、それとも目の前の勝利をある程度度外視し、しばらく時間をかけ、じっくりと常勝チームをつくり直すのか、だ。

 広島は今季、主力選手が続々と国内FA権を取得した。主力投手の野村祐輔の動向も気になるところだが、それ以上に攻撃陣の戦力ダウンが懸念される。正捕手の会沢翼は楽天がほしがっている、と一部スポーツ紙で報道された。また、松山竜平に興味を持っているパ・リーグ球団もあるとささやかれている。今年、丸佳浩の人的補償で巨人から移籍した長野久義がFA宣言するかどうかも気がかりだ。

 もっと去就が注目されるのが、やはり今年初めて国内FA権を取った二塁手の菊池涼介である。彼の場合、他球団へ移籍することはなさそうだが、昨年オフの契約更改交渉で、球団にポスティングシステム(入札制度)によるメジャーリーグ移籍を直訴。その直後の記者会見でも「メジャーへ行きたい」と公言しており、近い将来、アメリカへ去る可能性は極めて高い。

 さらに、昨年まで正遊撃手だった田中広輔も、来シーズン中に国内FA権を得る見込み。つまり、今年巨人にFA移籍した丸に続き、菊池涼、会沢、田中広と、昨年までカープの3連覇を支えたセンターラインが、2~3年以内に全員いなくなるという〝悪夢〟が現実のものとなるかもしれないのだ。

 その上、今季主に3番で好成績(103試合、打率2割6分9厘、26本塁打、64打点)を残したサビエル・バティスタが、ドーピング違反で出場停止処分(2019年9月3日から2020年3月3日までの6カ月間)を受け、来年まで3年残っている契約を凍結された。来季、彼が復帰できなかったら、カープ打線の得点源は4番の鈴木誠也ひとりだけになってしまいかねない。今年は丸が抜けた〝3番の穴〟が響いたが、来年以降〝4番以外すべて弱点〟となる恐れもある、と言ってもあながち言い過ぎではなかろう。

 この状況をどう打開するべきか、シーズン終盤、何度かチーム関係者に質問を重ねると、こんな答えが返ってきた。

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