赤坂英一の野球丸

2019年10月4日

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中村奨成はどうしているのか

 2017年夏の甲子園で1大会6本塁打の新記録を達成し、広陵からドラフト1位で広島入りした中村奨成はどうしているのか。この2年間、一度も一軍でプレーする機会がなく、二軍のウエスタン・リーグの成績(打率2割7分9厘、2本塁打、9打点)も至って平凡。当然ながら、首脳陣の評価も「やっとプロで野球をやる身体になってきたところだ」と、大変辛辣だ。

 そういう現状で優勝争いができるチームにするにはどうすればいいのか。手っ取り早い方法は、何と言っても実績のある外国人選手を連れてくることである。

 実際、緒方監督1年目の15年には、ジャイアンツ、パドレス、アストロズなどでプレーしたメジャーリーガー、ヘスス・グスマンを獲得。球団史上最高額の年俸1億円プラス出来高払いで契約した。が、「この補強は失敗だった」と、かつての主力選手で、指導経験もある広島OBがこう指摘する。

 「グスマンは確かに実績もあったし、試合でもちゃんとヒットは打っていたよ。だけど、引っ込み思案なのか、プライドが高いせいか、自分からチームに溶け込もうとしなかった。一塁手なのに捕手や内野手がマウンドに集まっても、自分だけ行こうとしない。試合後にはヘッドホンで音楽を聴きながら、キャリーバッグを引いて真っ先に帰ってしまう。オレの仕事はした、それでいいだろう、と言わんばかりの態度だったんだから」

 そのグスマンが左脇腹痛で戦列を離れると、カープはシーズン途中に外国人年俸最高額を更新する1億3900万円でネイト・シアーホルツと契約。彼はチームメートとしっかりコミュニケーションを取るタイプだったが、初来日が蒸し暑い6月だったため、熱中症で体調を崩し、結果的にはほとんど活躍できずに終わった。先のOBが続ける。

 「やっぱりね、カープの場合は、たとえ外国人でも日本人と同じメンタリティを持ってる選手でないとダメなんだ。日本人と一緒に汗をかいて、泣いたり笑ったり、喜んだり悔しがったりできるタイプでないと。最近の例で言うなら、昨年まで7年間プレーした(ブラッド・)エルドレッドは、家族ぐるみで広島の街に馴染もうとしていた。6年間(1977~82年)在籍していた(ジム・)ライトルも、自宅でホームパーティーを開き、日本人選手を招待したりしていたもんだよ」

 そのエルドレッド氏は今年で引退し、来年からカープの駐米スカウトとなる。彼が自分のように広島に溶け込める外国人打者を獲得できるか。小さいようで、意外に大きなポイントではないかと私は思う。若手たちの成長とともに、エルドレッド氏が自分やライトルの後継者を連れてこれるかどうか、どちらも期待しながら見守りたい。

  
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