“救亡”と“啓蒙”の間で葛藤する中国
大学教員の友人は、中国の近現代史において「救亡」(滅びようとする国を救う)が「啓蒙」(新しい思想や観念を広める)を圧倒してきたという哲学者・李沢厚の言葉を引き、「中国人は今なお“救亡”と“啓蒙”の間で葛藤している」と見る。
国内に多くの社会矛盾を抱えるなか、「国を救う」には、毛沢東時代のような強力な動員が必要なのか。「帝国主義に侵略された」歴史は現在の中国にどれほどの影を落としているのか。「西側」の思想を受け入れることは中国にとってプラスになるのか、マイナスになるのか。中国人の頭の中にさまざまな考えが交錯していることを、我々は重慶問題から読み解くことができる。
◆本連載について
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリスト や研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。
◆執筆者
富坂聰氏、石平氏、有本香氏(以上3名はジャーナリスト)
城山英巳氏(時事通信中国総局記者)、平野聡氏(東京大学准教授)
森保裕氏(共同通信論説委員兼編集委員)、岡本隆司氏(京都府立大学准教授)
三宅康之氏(関西学院大学教授)、阿古智子氏(早稲田大学准教授)
◆更新 : 毎週月曜、水曜
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