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2019年12月21日

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「教育の民主化」も実現できる

 教育の場にも5Gは革命をもたらす可能性がある。日本でも地域や親の年収による格差、都市部と郊外での情報へのアクセスの差が問題になるが、5Gにより様々なサービスや情報へのアクセスが可能になることで、「教育の民主化」も実現できる、という。

 VRにも大きな可能性がある。ライブスポーツ鑑賞でのXRやVRも興味深いが、現在のVRが5Gにより本当にリアルなバーチャルワールド体験へと発展すれば、ライブスポーツの「バーチャルシート」が提供できるかもしれない。自宅のリビングにいながら、スタジアムで観戦しているかのような臨場感が味わえ、スポーツ鑑賞の楽しみ方が何倍にも膨らむ。スタジアム側も、これまで観客席が5万人分しかなかったものが、バーチャルシートにより世界の何億もの人々にライブ体験を提供できる、という利点がある。

 最後に、ストリーミングサービスの未来について。現在米国だけで200以上のサービス提供会社があり、米国人は平均で4−5つのストリーミングサービスを視聴している、という。これらは月額制あるいはペイパービュー方式の有料サービスだ。これはドラマに強い、スポーツ中継に強い、などサービスによる特徴が原因となる。見たいものを集めると、平均してこれだけのストリーミングと契約する必要性が出てくる。

 しかし5GによりAIシステムが現在よりも高速化され改良されることにより、近い将来無料の広告ベースのストリーミングサービスが主流となる可能性もある。AIにより個人にカスタマイズされた広告が流れ、広告主への宣伝効率も実証されれば、視聴者に対して無料でサービスを提供する価値が認められる。もちろん広告を見たくないから有料のストリーミングサービスを選ぶ、という視聴者もいるが、現在よりもバラエティに富んだサービスを全体として提供できることになる。

 良いことづくめのようだが、5Gが世界に普及するにはまだ時間がかかる。デバイスも5G対応である必要があるため、すぐに誰もが利用できる、というわけではない。しかし可能性は現時点では無限にあり、エンターテイメントがよりリアルで臨場感のあるものに変化していくことは間違いなさそうだ。

  
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