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2020年1月6日

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オーストラリアのスコット・モリソン首相は5日、同国各地で猛威を振るっている森林火災が今後数カ月続く見込みがあると警告した。また、火災によって家や職を失った人を援助する復興局の設置を発表した。この間、豪コメディアンが立ち上げた支援募金は、開始から48時間で約15億円以上を集めた。

危機の渦中に家族でハワイ旅行をしていたなど、対応の遅れが強く批判されているモリソン首相は、4日には消火活動に最大3000人の予備役を動員すると発表。首相はすでに、危機対応のためインド訪問を取りやめている。

首相が新設を発表した復興局は少なくとも2年間は活動し、インフラの整備やメンタルヘルス(心の健康)の支援なども行うという。

一方、ニューサウスウェールズ州地方消防局のトップが、予備役の動員について報道で知ったと述べたことから、モリソン首相への批判がさらに高まった。

未知の領域

昨年9月から続く森林火災では、これまでに少なくとも24人が死亡。コアラなど野生動物は甚大な被害を受けている。首都キャンベラでは大気汚染が悪化し、世界で最悪の水準に達した。

年明け最初の週末、各地の被害は最も深刻な部類となり、数百軒の家屋が破壊された。大都市や農村部では空が赤く染まり、煙や灰が立ち込めた。

5日午後には南東部ヴィクトリア州やニューサウスウェールズ州でわずかだが雨が降ったほか、気温や風速も穏やかになり、火災の広がりも落ち着いた。

しかし当局は、危険はまだ過ぎ去ったとは言いがたいと警告している。

ニューサウスウェールズ州のグラディス・ベレジクリアン知事は、「我々は未知の領域にいる。前にも経験したことがあるようには振る舞えない。前代未聞の事態なので」と述べた。

4日に自宅から避難した同州イーデン在住のジョン・スティールさん(73)はAFP通信の取材に対し、「50メートル先も見えない状況で、空からは広い灰や塵がたくさん降ってきた」と話した。

「空はまだ赤い。私たちはまだ危機を脱していない」

エリザベス女王は5日、森林火災について「深く悲しんでいる」と話し、地域社会を助けるために「命を危険にさらしている」救急サービスに感謝した。

募金活動、48時間で15億円

こうした中、オーストラリアのコメディアン、セレステ・バーバーさんが始めた消防局の募金活動が、開始から48時間で2000万オーストラリアドル(約15億円)以上を集めた。

バーバーさんはフェイスブックで、「自分にできる形でできるだけ支援してほしい。とても恐ろしい事態だ」と述べ、募金を呼びかけた。

バーバーさんは募金が急速に集まったのは「素晴らしい」と歓迎し、集まった資金はボランティア消防隊員で構成されているニューサウスウェールズ州地方消防局や、寄付金を直接消防局に届けている消防局寄付基金に届けるとしている。

バーバーさんの家族が住むイーデンでは、当局が住民に対し、火災への対応策がない場合は北へ逃げるよう警告を発しており、セレステ氏の家族も避難を余儀なくされたという。

また、米歌手ピンクさんや、豪出身の女優二コール・キッドマンさんなど、各国の著名人からも寄付が相次いでいる。

オーストラリアでは現在も、各地で200件近くの森林火災が確認されており、全ての州・準州に影響が出ている。これまでに1200軒以上の家屋が破壊されたほか、数百万ヘクタールが焼失した。

ニューサウスウェールズ州では、数万世帯が停電に見舞われ、先週から今週にかけて数千人が避難した。

(英語記事 Australia bushfires might burn for months, PM warns

提供元:https://www.bbc.com/japanese/51003664

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