次の製品は「イカ」
インポッシブル・フーズの「肉」は大豆の根が原料だが、そこから作られたものにフレーバーをつけている、というものではなく分子レベルで解析し、肉の味の元となる分子を注入する、という作業が行われている。今回も豚肉の脂分を感じさせながらしっかりとした味を再現するために、様々な試行錯誤が行われたという。
ただし現時点でのインポッシブル・フーズの製品はひき肉の形でしか実現していない。シーティンガーさんによるとステーキのようなものを作り出すには肉の繊維を再現する必要があり、まだ開発が難しい段階だ。しかし同社では日々製品の改良に取り組んでおり、いずれステーキのような製品を提供できる、と自信を覗かせていた。
会見で「次の製品は」と聞かれたブラウンCEOは即座に「イカだね」と答え、すぐに冗談だと否定したものの、同社はシーフードの人工的再現に意欲を見せている。シーティンガーさんも「いつかインポッシブル・寿司を提供できると思う」と語っていた。
人口の増加とそれに伴う食料不足、環境の悪化は現在の我々が対処すべき喫緊の課題だ。ブラウンCEOは「人類が動物を殺して食料にするという事態を世界中からなくし、誰もが環境に優しい食料を手に入れられるようにするのが自分の使命」と語っており、これからも様々な新製品が登場しそうだ。
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