2022年12月10日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年3月31日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

「感情移入」の重要性

 オバマ政権で大統領上級顧問を務めたデイビット・アクセルロッド氏は、トランプ大統領のリーダーシップに関して、他者に対する感情移入及び配慮に欠けると指摘しています。自然災害やテロなどによる危機的状況では、被災者に対する感情移入は極めて重要な要素です。

 クオモ知事は、「看護師は子供にキスをして出勤する。彼らは病院で感染した患者と戦っている。家庭に感染症を持ち込まないように祈りながら働いている」と語ったうえで、「私はあなたがしていることを認識している」と述べました。

 毎朝、出勤前に病院で新型コロナに感染するかもしれないという不安に駆られる看護師は、子供に普段とは違った特別な感情のこもったキスをするのでしょう。帰宅後は、自分が家族に感染させないのか危惧の念を抱きながら生活を送っているのです。

 クオモ知事はこのような最前線で新型コロナと戦う看護師に感情移入をして、彼らの気持ちに沿った発言を行いました。そうすることで、看護師に対する承認と感謝の意を表した訳です。

トランプの矛盾を突くクオモ

 経済再開の考えを表明したトランプ大統領ですが、ニューヨーク州及び隣接するニュージャージー州とコネチカット州における隔離政策の可能性に言及しました。クオモ知事は即座に、経済再開と金融の中心地であるニューヨークにおける隔離政策は矛盾していると指摘しました。

 その上で、トランプ大統領は経済再開と正反対の政策を選択しようとしていると激しく非難しました。

 米メディアによれば、トランプ大統領は感染症対策よりも経済政策を重視する方向へ踏み切ろうとしています。一方、クオモ知事は「公衆衛生戦略と経済戦略は二者択一ではなく両立できる」と議論し、後者の戦略に傾くトランプ大統領を批判しました。

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