2024年4月25日(木)

From LA

2020年4月26日

血液を採取

結果は10~15分で出る

 ともかく、すぐに中に入り、検査を開始。指先をハリで突いて少量の血液を採取するだけの簡単なものだった。血液は白い容器に入れられるが、女性用の妊娠検査キットに似ていて、「もし陽性ならばこの下の部分に赤い線が出る」とのこと。結果は10~15分で出るので外で待つように言われる。

 待っている間に結果を受け取った人に聞いてみたが、全員陰性とのことだった。これまでのカリフォルニア州内の検査の結果では4~5%が陽性、ということなので、ほとんどが陰性というのは不思議ではない。検査に来ている人は割に若い人が中心で、子供もいた。

 そして結果。今回の検査はIgG、IgMという2つの抗体の存在を調べるもので、両方が陰性ならば「コロナウィルスに感染したことはなく、現在も感染していない。今後も社会的距離を保つ必要がある」、IgGが陰性、IgMが陽性の場合は「抗体が生成される初期段階であり、ウィルス保持者の可能性がある。一週間程度の経過観察が必要」、両方とも陽性ならば「最近ウィルスに感染し、治癒している可能性が高い。社会的距離を保つ必要はなく、仕事復帰可能」、そしてIgGが陽性、IgMが陰性の場合は「過去にウィルス感染し治癒している。社会的距離を保つ必要はなく、仕事復帰可能」。

 筆者は一番最初の両方とも陰性、つまりウィルスに感染していないし過去に感染したこともない、だった。

二つとも陰性

 正直なところ、1月には世界から20万人が集まるラスベガスのCESというコンベンションに行っていたし、中国企業の記者会見にも参加した。その後2週間様子を見てから日本に帰国し、友人とゴルフに行ったし本誌の編集者と食事もした。東京では混んだ電車にマスクなしで乗っていたし、福島の温泉にも出かけた。50%くらいの確率で感染しているのではないか、と思っていたが、実際は杞憂だったようだ。

 もちろん今罹っていなくても抗体がないのだから将来罹る可能性はあり、まだ注意は必要だ。抗体検査を受けたのは、どんなものか知りたかったのと、抗体を受ける母体数が増えればそれだけ正確な結果が出ることになるため、ちょっとした社会参加のつもりもあった。検査は万全ではなく、抗体があったから、と言って安心できるものでもないし、抗体がどれだけ体の中に存在し続けるのかも今のところはっきり分かっていない。しかし短い時間で結果が出る検査なので、今後ますます広がるだろう、ということは実感できた。

  
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