From LA

2020年4月16日

»著者プロフィール
大リーグ・LAドジャース、慈善団体が協力して4000パックの食料を配布した(USA TODAY Sports/REUTERS/AFLO)

 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が4月15日、州の外出禁止令を解き経済活動を再開するための指標を発表した。それによると

  1. 検査、及び陽性者の濃厚接触者の追跡、その結果必要と判断された人々の迅速な隔離によりコミュニティの安全性を確保できる。
  2. 新型コロナウィルスに感染した場合に重症化しやすいリスクのある人々(高齢者、持病のある人々)などへの感染防止の徹底。
  3. 感染者が増えた場合でも病院や医療関係者が対応できる体制作り。
  4. 需要に見合う治療法を開発する能力。
  5. 企業、学校、保育所などが人々の社会的距離(2メートル程度とされる)を確保できる環境。
  6. 外出禁止令など、一定の条例についていつ再考するのか(廃止に向けて)を決定する能力。

 という6つの指針が重要だという。現時点でいつ事実上の封鎖状態を解き、経済活動を再開するのかについての目処は立っていないが、上記の6つをクリアすることが州の再開に向けてのタイムライン作りのフレームワークになる。

 これに先立ち、13日には米西部のワシントン、オレゴン両州と連携し、外出禁止令の緩和や経済の再開について足並みを揃え、共同で取り組んでいく、とも発表した。同様に東海岸ではニューヨーク、マサチューセッツ、コネチカット、ニュージャージー、ロードアイランド、フィラデルフィア、デラウェアなどの州が連携を発表した。

 トランプ大統領は「国の封鎖を解き、経済活動を再開する権限を持つのは連邦政府のみ」とこうした各州の動きを牽制している。確かに海外への渡航禁止、あるいは海外からの入国禁止などを決定できるのは連邦政府だけだ。しかし、今回のコロナウィルス対策では、カリフォルニアが国に先立って自宅での自主隔離要請を行い、ニューヨークがそれに続いた。

 専門家からの警告にもかかわらずトランプ政権がコロナウィルスを軽視して対応が遅れたことが今回の米国の悲劇の原因、という指摘は高まっており、各自治体は「連邦政府の指針に従っていてはいつまでたってもこの事態から抜け出せない」という危機感を高めている。指針の6番目はまさにその現れで、州政府の権限で物事を進める必要がある、という意思が読み取れる。

 ただし、懸念もある。ニューサム知事はこのところ会見で「NATION STATE」という言葉を多用するようになった。州国家、という表現で、カリフォルニア州をひとつの国家として捉える、とも取れる表現だ。

国からの物は動かず
イーロン・マスクからの人工呼吸器は動いた

 これには背景がある。3月28日、ニューサム知事は「国がカリフォルニアに貸与した170台の人工呼吸器の大半が機能しなかった。我が州はこのことで連邦政府を責めるよりも、黙ってこれらを修理に出した」とツイートした。トランプ政権は「8100台の人工呼吸器の備蓄があり国中をカバーできる」と豪語していた。

 一方でテスラのイーロン・マスク氏が自腹で1000台の人工呼吸器を中国から買付け、州に寄付した。つまり民間の方が政府よりもよほど頼りになる、とニューサム知事は皮肉ったことになる。

 この後カリフォルニア州は医療崩壊が伝えられるニューヨークに500台の人工呼吸器を貸与、また医療用マスクや防護服などを「輸出した」と知事は語った。この輸出、という言葉も「まるで国家間のやり取りのようだ」と話題になった。

関連記事

新着記事

»もっと見る