BBC News

2020年5月2日

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4月30日までに新型コロナウイルスの検査を1日10万件実現すると公約していたイギリス政府は、同日に12万2000件以上の検査を提供したと明らかにした。5月1日の定例会見で、マット・ハンコック保健相が発表した。

ハンコック氏は、政府が示した1日10万検査の目標は「大胆」なものだが、イギリスが「立ち直る」には検査が欠かせないと述べた。

12万2000件という数字には30日に、市民の自宅に直接郵送した検査キット4万件も含むため、まだ実施されていない可能性もある。このため、野党・労働党からは、「検査10万件実施」という公約を政府が果たしたわけではないという指摘も出ている。

1日10万件の目標はハンコック氏自身が4月2日に公約したもので、当時のイギリスの検査数は1日1万件だった。

イギリスではこれまでに、病院や介護施設、各家庭など地域全体を含めて2万7510人が新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」で死亡している。

政府は検査件数を一気に増やすため、検体を調べる検査機関として3カ所の「巨大ラボ」を用意したほか、約50カ所にドライブスルー検査拠点を設けた。さらに、自宅検査サービスや移動検査センターも整備した。

5月1日朝までの24時間で提供された検査12万2347件の内、実際に検査を受けた人数は7万人超だった。これは人によっては、信頼できる結果を得るには検査を複数回受ける必要があるからだ。

提供した検査総数には住民の自宅に送られた2万7497個や、英国民保健サービス(NHS)の医療施設などに配送された1万2872個の検査キットも含まれる。この分は実際に使われていない可能性がある。あるいは、検体がまだ検査機関に戻されていない可能性もある。

野党・労働党のジョナサン・アシュワース影の保健相は、政府の主張は紛らわしいと批判する。

「あまり細かいことにこだわるべき時ではないが、政府の言う数字の内3万9000個はただ発送したというだけなので、政府が公約を果たしたということにはならない」と、アシュワース氏はBBCニュースに話した。

「検査を郵送するのと検査を実施するのは同じではないと思うが、検査が増えたのは歓迎できる」

4月28日の前は検査の数え方について説明がなかったが、政府サイト上のガイダンスでは28日から、自宅や臨時検査センターでの件数も含まれていると記載されるようになった。

疫学の専門家で検査体制について政府に助言しているジョン・ニュートン教授は1日の会見で、検査の数え方は以前と同じだと説明した。


ハンコック保健相は、政府の「次の使命」は感染経路の追跡だと述べ、「5月半ばまでには1万8000人の追跡係が作業を開始する」とした。

「係官による追跡に、新しいCOVID-19追跡アプリの技術を組み合わせることで、ウイルスがどこで広まっているのか把握し、新規感染を抑えられるようになる」

ハンコック氏はさらに、感染対策の次の段階で政府は、「安全を守りながら可能な限り、私たち全員の自由を取り戻したい」と述べた。

イギリスでは当初、病院で特に重篤な感染者のウイルス検査を最優先していた。次に優先されるのは、医療・介護スタッフと救急サービスのスタッフだった。

4月下旬からはイングランドで、社会機能維持に不可欠な他の職種の人とその家族が、発症した場合に限り、検査の対象になっていた。

月末からはさらにイングランドで、65歳超で症状が出ている人、出勤のため外出しなくてはならない人、さらにはこうした人と同居している人も、検査対象に含まれるようになり、対象が一気に数百万人単位で増えた。

英スコットランドでは、ニコラ・スタージョン自治政府首相が、症状のある65歳超の人と、集団感染のあった介護施設の関係者全員に検査対象を広げると発表した。

1日にはウェールズ自治政府が、介護施設の入居者は無症状でも全員検査すると発表した。

イギリス国内の他の動き

  • 不妊治療クリニックは今月11日から再開が認められる
  • 政府統計局によると、イングランドとウェールズでは富裕層の地域よりも貧困地域の住民の方がCOVID-19で死亡する可能性が高い
  • ヒースロー空港の責任者は空港で「社会的距離」を維持するのは不可能だと表明した。各地の空港は利用者の健康チェックを導入する必要があるかもしれない
  • ファストフード大手マクドナルドは今月13日から限定メニューのデリバリーのみ、営業を再開する予定

(英語記事 Coronavirus: Target reached as UK tests pass 100,000 a day

提供元:https://www.bbc.com/japanese/52511701

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