顧客のニーズを捉え、仲介の質を高めることで、仕事を増やすことが出来るという実例だ。また、同社ではウェブサイト『もぐら不動産』で賃貸物件の紹介も行っているが、ここで紹介しているのも基本的にはリフォームが可能な物件。
個人のニーズをより広く捉える
個人のニーズをより広く捉えようとしているのが、 “不動産のセレクトショップ”と銘打つウェブサイト『東京R不動産』を運営するスピーク(東京都渋谷区)。“一品モノ”といえるような個性的な売買、賃貸物件を紹介する東京R不動産は、月間300万ビューを誇る人気サイト。
スピーク共同代表の吉里裕也氏らが東京R不動産を立ち上げたのは03年。「最初は、ビジネスというよりも、『こんなに面白い物件がたくさんある』ということを発信したいと思った」(吉里氏)ことが立ち上げのきっかけ。ところが、サイトを開設してみると予想以上の反響があったことから、ビジネスとして仲介まで手掛けることになった。現在、売買、賃貸合わせて月間50件の仲介を行う。
東京R不動産では「レトロな味わい」「郊外/リラックス」「お得なワケあり」「改装OK」等々、物件の特長ごとにカテゴライズして紹介されている。「新築の分譲住宅は、ニーズの最大公約数で造られるため、どうしても画一化する」(同)ため、それ以外の部分に価値を感じる人のニーズはこぼれ落ちてしまう。そのニーズに応えることこそ、不動産のセレクトショップたる所以だ。
社会の構造変化によって増え続ける空き家。社会問題として対策がとられる一方で、塩漬けとなった賃貸・売買向けの住宅を不動産業界はどうするのか。ニーズの多様化に応えるのも解決策の一つではあるが、不動産業界の構造を変えることで、より中古住宅市場を活性化させる可能性があることを次章以降で示していく。
続きはWEDGE7月号で
特集「空き物件750万戸 始まった流通革命」
◎商慣習と物件価値の透明化
「不動産仲介透明化フォーラム」「さくら事務所」
◎日本の風土を打ち破れ
「住まいサーフィン」「積水ハウス」「山万」「センチュリー21」
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