2024年7月14日(日)

ショーゼンさんの 川柳いろは教室

2012年6月20日

 「風」というお題が出たとき、極端に言うと、こんなふうに風の情景を描写するだけの人がいる。

台風だ風が強くて大変だ

 川柳にも俳句にもなっていない。詠み手の気持ちが何にも伝わってこないよね? これじゃ「説明川柳」だ。のぞみさんが詠んだ句もそうですね。

舞い上がる風に吹かれて花吹雪 

 一瞬強い風が、一度は散った花びらを舞い上げる、その光景は美しいものだとしても、誰もが思いつくものです。では、これをどうすれば印象に残る句になるのか。

 それは、 “作者の気持ちから出発する”ということなんです。

 第1回でも言ったように、現代川柳は心の機微を詠むもの。まずは最近自分がどんなことに心惹かれているか、あるいは怒っているのか、哀しんでいるのか。それを出発点にしましょう。

 僕はさいきんね、“老い”というものについてしばしば考えることがある。つらつら老いについて考えていると、こんな句ができるんだ。

いっせいに北風になる友たちよ  昌善

 「北風」の想像はいろいろ広がると思う。きりりとした強さもあれば、寂しさも感じるでしょう? 句のなかに作者がいるかどうか。それを読み手に感じ取らせることができたらいいですね。

 とくにお題が出る「題詠」の場合は、お題を解説する句になりがちです。

 お題が「温かい」なら、

かあさんの手はいつだって温かい

とかね。でも、これでは当たり前でしょう。だから、もう少し「温かさ」のバリエーションについて推敲してみたらどうだろう。

軍歌しか知らない父の子守歌  昌善

 どうですか? こちらは無骨な父の不器用な心の揺れを感じることができません? 

 出発点に、自分がいちばん強く持っている感情を置いて、そこからお題につながるイメージを膨らませていってください。そうしたら、キラリと光る表現が思いつくかもしれませんよ。

→次ページ 「ひととき旅川柳」入選作品と応募要項を発表!!


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