メイドインニッポン漫遊録 「ひととき」より

2020年7月20日

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いであつし (いで・あつし)

コラムニスト

1961年、静岡県生まれ。コピーライター、「ポパイ」編集部を経て、コラムニストに。共著に『“ナウ”のトリセツ いであつし&綿谷画伯の勝手な流行事典 長い?短い?“イマどき”の賞味期限』(世界文化社)など。
 

 広島県、長崎県、和歌山県、愛知県、京都府、熊本県、岡山県、大分県、山形県、奈良県、徳島県、香川県、滋賀県、静岡県、鳥取県、大阪府、青森県。これまでに「メイドインニッポン漫遊録」で巡ったところである。今回は振り返り編として、筆者が巡った旅をここらでちょこっとプレイバックしてみたいと思う。

 なにしろ漫遊録ですからね。その町、その工場でしか出会えない人たちとのエピソードがいっぱいあります。どの旅も忘れられませんが、なかでも筆者が思い出深かった旅を、てくてくプレイバックしてみましょうか。

スピングルビズ。
Biz-501 23,000円(右)とBiz-151 24,000円(左)
*価格は税別です 
<オンラインショップ>
  https://www.spingle.jp/cat/biz/

メイドイン備後の逸品スニーカー
スピングルムーヴ
(2015年12月号)

 旅の始まりはメイドイン備後(びんご)のスニーカーでした。「スピングルムーヴ」というスニーカーを訪ねて、第1回は広島県の府中市に行って来たのだ。

 小さな町工場で昔ながらの希少な「バルカナイズ製法」で作られているスピングルムーヴは、今や国内外でその名を知られるスニーカーブランドである。最近は、革靴×スニーカーの履き心地を実現したビジネスライン「スピングルビズ」もスニーカー通勤向けに人気が高い。

 取材当時、ワレワレを案内してくれた「スピングルカンパニー」の鎌倉節子さんは、商品開発から広報までこなすスーパーウーマン。閉鎖も検討された会社の工場に残っていた上履きを作るバルカナイズ製法の釜を使って、スニーカーを作れないかと発案したのも彼女なのだ。

 まだ1回目の旅でぎこちなかったワレワレに、鎌倉さんが「お昼まだですよね?」と会社近くのお好み焼き屋さんでご馳走してくれた、B級グルメの「府中焼き」のソースの味が忘れられません。

 現在はもう退職されましたが、上京の折に再会を果たし、「ひととき」編集部のある神田の焼き鳥屋さんで一杯やりながら、この連載で訪ねてみたい銘品を作っているメーカーの情報を交換したのも楽しい思い出である。

(写真上右)今や府中家具、府中味噌と並んで地元が誇るスニーカー、スピングルムーヴ
      の工場 
(写真上左)鎌倉さんにごちそうしてもらった思い出の府中焼き。広島焼きとの違いはミ
      ンチ(挽肉)入り。おいしかったぁ! ●お好み焼き さち☎0847-43-4508
(写真下右)日本でもここと数台しかない希少なバルカナイズ製法の釜 
(写真下左)鎌倉節子さん 

硫黄を加えた生ゴムで靴の本体(アッパー)と底(ソール)とを接着し、窯の中で熱と圧力をかけ
 圧着するスニーカーの製法。底が剝がれにくく、型崩れしにくい

●スピングルカンパニー
☎0847-41-5609 広島県府中市府中町74-1
  https://www.spingle.jp
<オンラインショップ> 
  https://www.spingle.jp/shopping/

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