【 振り返り編 】スピングルムーヴのスニーカー / HITOYOSHIのシャツ / BUAISOUの藍染

熊本の地名を冠した老舗の上質シャツ
HITOYOSHI
（2017年5月号）

　熊本県の人吉（ひとよし）市に、その名も「HITOYOSHI」というシャツの工場を訪ねた旅は、ちょうど熊本地震から1年後でした。球磨（くま）焼酎で有名な球磨川が流れるのどかな温泉街を歩くと、まだまだ「頑張ろう熊本」と書かれた復興支援の募金箱を街のあちこちで目にした。

 

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（写真右上）HITOYOSHIのシャツを語りだすとトークがとま
　　　　　　らない名物社長の吉國武さん（左）　
（写真右下）白シャツだけでも衿の形や素材の違いから、ドレ
　　　　　　スタイプ、カジュアルと豊富に揃っている　
（写真左上・左中央）球磨川と人吉ののどかな温泉街　
（写真左下）シャツの縫製技術を生かしたマスク。シャツにも
　　　　　使用している柔らかなニット素材で裏地は麻を使
　　　　　用。6月上旬までオンラインストアで販売していた
  写真提供＝HITOYOSHI

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　この旅でワレワレを迎えてくれたのは、HITOYOSHIの社長の吉國武さん。閉鎖寸前だったシャツ工場を、職人の腕を信頼して見事に立て直した人だ。今や熊本の人吉から、イタリアの有名シャツブランドにもひけをとらない上質なシャツを世界に向けて展開している。

　ちなみに熊本の人はファッション感度が非常に高くて、吉國さんもアパレル業界でお洒落な社長として有名である。　　

　でもここだけの話、取材後に行きつけのスナックでカラオケをご一緒しましたが、球磨焼酎片手に歌う姿は筆者と同じ演歌好きな昭和世代のオヤジであります。

　今も吉國社長とは時々SNSを通じてやり取りしている。最近、着古したHITOYOSHIシャツをリメイクしてマスクを手作りしたという顧客の話を聞いて胸が熱くなったそうだ。コロナ禍でアパレル業界も大変な今。シャツ屋として何かできないかと試行錯誤して、HITOYOSHIの縫製技術を生かしたお洒落な白いマスクも製作、販売しました。