2024年4月20日(土)

地域が主役の「在宅ケア時代」

2012年7月10日

 「メディカルタウンの再生力~英国マギーズセンターから学ぶ~」として2010年2月21日に聖路加看護大学アリス・C・セントジョンメモリアルホールにて行いました。

 全国から330人の方が足を運んでくださいました。前日には、金沢大学がんプロフェショナル養成プログラムの中に急遽組み込んでいただき、「がん患者さんの声からつくる支援のかたち」としてシンポジウムを開催しています。

 これらは、30年後の医療の姿を考える会の編集で出版されている「メディカルタウンの再生力~英国マギーズセンターから学ぶ~」2010.9発行に収録されています。

がん拠点病院には相談支援センターを
置かなければならないが…

自然光が入り、あたたかな雰囲気のマギーズセンター。日本でも同様の施設の存在が必須である

 このような活動を続けながら、がん対策基本法では、がん拠点病院には相談支援センターを置くことが義務付けられているにもかかわらず、病院の中で誰かに相談することも思いつかずに悩んでいる人がなんと多いことかという事実を感じています。

 地域包括支援センターでも、一般的には病院から退院の話が出るときに相談に乗ってもらう人が多い。「地域包括支援センターならば介護保険関連でないと相談してはいけない」という思いが働くからです。しかし、本来であれば入院中からも相談に乗ってもらえるのですが、ニーズと情報が一致せず、患者とセンターがうまく結びついていない状況があります。結局は相談がままならない状態で、緩和ケアも十分になされないままに、ターミナルステージを迎えている実態に、ため息をつくばかりの日々が続きます。

 実は、有明にあるがん専門病院の事務長さんにも、面会を申し込み、「こんな相談機関が必要だと思うがそちらの敷地内でいかがでしょうか?」と、話に行ったこともありました。

 「内容はとてもいいが、敷地内は駐車場も含めてこれ以上のものは建てたりはできない。となりの公園緑地が東京都の管理だからそちらに交渉してはいかがか」と言われたものです。

「マギーズセンター」から「暮らしの保健室」へ

 そんな夢物語を追いかけているうちに、「マギーって何?」「マギーって聞いたけれど?」「癌患者にとっては良い所のようだけれど聞かせてほしい」という声がぽつぽつと聞こえ始めました。


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