ザ・移動革命

2020年10月6日

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伊藤慎介 (いとう・しんすけ)

株式会社rimOnO 代表取締役社長

1999年に旧通商産業省(経済産業省)に入省し、自動車、IT、エレクトロニクス、航空機などの分野で複数の国家プロジェクトに携わる。2014年に退官し、同年9月に超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnO(リモノ)を設立。2016年5月に布製ボディの超小型電気自動車”rimOnO Prototype 01”を発表。現在は、CASEやMaaSなどモビリティ分野のイノベーション活動に従事。KPMGモビリティ研究所アドバイザー、東京電力ホールディングス株式会EV戦略特任顧問などを兼務。

〝実験〟から抜けられない日本

 翻って日本はどうか。

 かつては新東名の車線の一部を自動走行レーンとし、官民協調で世界をリードするインフラ協調型の自動走行を目指すという構想が打ち出されたこともあった。しかし、グーグルを筆頭に世界が自立型の自動走行へと傾注していく中で、国内の取り組みも自立型にフォーカスされていくようになった。

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)プロジェクトでは羽田空港周辺の首都高速や一般道などで、インフラ協調型で自動走行する実証実験が行われているが(今年8月~9月末)、いずれも期間や台数が限定された“実験走行”であり、将来的な自動走行レーンの建設や無人走行バス・無人走行タクシーといったサービス化を想定したものとはなっていない。

 米中がインフラ協調型の自動運転プロジェクトを大胆に進める中、日本でも米中に匹敵するプロジェクトを早急に検討しなければ、技術面だけでなく、実装面でも大きく立ち遅れてしまいかねない。自動運転に限らずモビリティに関する国家プロジェクトの多くが“実験走行”に偏っているように感じるが、次世代インフラ整備、近い将来の実サービス化を見据えた骨太の大型プロジェクトの創設が求められているのではないだろうか。

  
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