2024年4月24日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年8月1日

 考えてみれば、日米はTPP諸国の中で最先進国なのですから、利害の一致する点の方が多いのは当然でしょう。

 日本国内で取り上げられているISD条項などは国際的には問題となっていないようです。やはり、日本にとって大きな問題は、アメリカの農業団体の要求にいかに応えるかということです。

 いずれにしても、日本に対する期待は極めて大きいようですから、日本としては、日本の主張を通すチャンスであると思われます。

 TPPは、日本の利益にとって、もちろん一長一短ある制度であり、政治の役割は、決断を下して、その長を伸ばし短を補うことです。とりわけ、問題とすべきは、TPPに入らないことによる損失です。それは、過去20年間の日本経済の停滞を放置して、何もしないことを意味します。

 TPP加入は、日本経済の長期的課題を明らかにし、そのための産業政策を作らせる契機となります。練達の通産のOB、開明的な農水官僚の知恵を借りて、長期的な産業政策を作成すべきであり、それが、日本経済を長期的な衰退から救う道となるでしょう。 

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