8月17日付の第一財経日報は中国の外食産業の近状に関するレポートを掲載しているが、それによると、全国の外食産業は「10年以来の谷底」に落ちていて、客の減少が原因で飲食店の毎月の「廃業率」が15%にも達しているという。飲み食いが大好きな中国人は普段、多少でもお金があればそれを惜しむことなく飲食店につぎ込む傾向があるが、消費者の外食離れがそこまで深刻化しているということは、まさに現在の消費不振を象徴している。
国民的人気の「月餅」の生産も半減
ちなみに、9月の「中秋の名月」を迎えて、国民的な大好物である「月餅」の生産は8月に一番盛んに行われるが、「中国経済網」という経済ニュース専門サイトが8月21日に伝えたところによると、今年は全国的な消費不振の中で、「中秋の名月」にあたっての国内の月餅消費量が大幅に落ちるとの予測があるため、多くの月餅生産メーカーは生産量を通常の半分に抑えているという。中国の消費不振はいよいよ、名物の月餅にまで影響を及ぼしているのである。
このように、現在の中国経済は輸出も不動産も公共事業投資も全部落ち込んだ状況の中、「成長の新しいエンジン」として期待を寄せられている消費までも冷え込んでしまうと、中国経済の全面衰退はもはや避けられないすう勢であろう。
成長と繁栄の「饗宴」は、確実に終わったのである。
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