2024年12月26日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月10日

 米ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上席研究員が、8月13日付で同財団のウェブサイトに掲載された論説で、李明博大統領の竹島訪問によって日韓関係が緊張しているが、米国は、いずれの側につくという意思も表示せず、安全保障面における日韓協力、日米韓協力の推進を図るべきである、と論じています。

 すなわち、日本と韓国は、近年少しずつ安全保障協力を強化してきたが、6月には、韓国は、署名直前だったGSOMIA(包括的軍事情報保護協定)をキャンセルし、今回は大統領が竹島を訪問して、日本側はそれに対して強硬に反発している。

 日韓関係が微妙なことは分かる。米国は、慎重に、いずれをひいきにしているとも取られないように細心の注意を払っていかなければならない。

 米国は、日米韓三国の外務・防衛担当大臣による2+2+2の会議を推進するなど、三国間軍事協力の必要を強調し、それを推進すべきだ。また三国間の軍事演習、訓練を強化しなければならない。そして、裏で、GSOMIAの締結を推進する必要がある。他方、米韓ミサイル防衛協力も推進しなければならない。

 日韓協力を推進すること、少なくともとも両国の間の摩擦を少なくすることは、北朝鮮と中国に対する抑止力の強化にとって重要である、と論じています。

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 アメリカは、長い冷戦の期間以来何十年にわたって日韓安全保障協力を希求してきました。それが最近になって各種共同演習の実現などによって進展し、GSOMIAの締結直前まで到達しながら、停滞しています。アメリカの関係者の失望感は想像に余りあります。


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