2024年7月16日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月10日

 しかし、この論文の主張している対策、すなわち、米国は、いずれの側にもくみすることなく、大所高所から三国協力を更に推進して行くべきだというのは、米国の政策として正しい提言です。

 日本としては、GSOMIAの署名延期は残念ですが、過去の経緯を考えれば、署名直前まで行ったということ自体、政治的障害はいまだに残っていても、安全保障担当者間における日韓軍事協力に対する障害が除去されつつあることの証左であり、今後も目立たないところで日韓軍事協力を推進して行くことは可能だという希望を持たせるものとも言えます。

 論説が指摘している通り、日韓協力の推進は、対北朝鮮、対中国の抑止力強化という重要な戦略的意義を持ちます。ナショナリズムの噴出は、所詮は短期的なものであり、長期的、戦略的観点に立てば、米国の媒介のもと日韓協力を推進する以外の道はないでしょう。

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