2024年5月8日(水)

Wedge REPORT

2021年3月7日

地方暮らしも選択肢に

 一昨年の3月に東京から移住したのが永山貴博さん(37歳)。奥さんが鹿児島出身で、4歳の子どもがいる子育て世代だ。東京ではアパレル関係の仕事をしていたが、東京と鹿児島に拠点を持つ企業(BAGN)を自分で見つけ、この会社が参画しているプロジェクトの「リバーバンク森の学校」を管理する仕事に就けたので、これを機に引っ越しを決めた。奥さんがいつかは鹿児島に戻りたいと言っていたのを尊重して、東京での仕事に区切りをつけたという。

 「前の会社の同僚に『会社を辞めて鹿児島に移住する』と話したら、衝撃を受けたようだ。東京で大きな集団の中で働くのも良いが、自分のライフワークを守りながら、こうした田舎の環境で働くのも選択肢の一つかなと思う。

 移住して2年近くになるが、収入は減ったものの、東京と同じ広さのマンションの家賃が半分以下など、生活コストがかからないので、経済的には問題ない。子供は保育園に行っているが、上級生が下級生の面倒をみるなど都会ではない雰囲気があり、伸び伸び子育て出来ている。田舎なので近所付き合いを心配したが、マンション暮らしなので、それほど気にすることもない。移住に際しては、鹿児島市が行っている引っ越し費用の助成は受けた」

 「働いている場所の南九州市川辺町には、人気のUチューバーチャンネルを持っている東京から引っ越してきたファッションモデル夫婦がいる。この夫婦は東京にはたまに行く程度で、鹿児島での生活をエンジョンしているようだ。いまはテレワークを使えば、場所を選ばなくても仕事ができる。

 東京と比べるとコロナの感染も緩いので、自由に行き来ができて働きやすい。私の暮らし方を知った東京の友達も『行って見たい』と言ってくれている。自分の趣味と暮らしを考えて、地方で暮らしてみようかと思う人もいるのではないか」と話し、永山さんは移住の決断をしたことに満足している。

【資料】
東京都の人口推移

  
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