2024年7月16日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年11月6日

 チャイナ・リスクの存在が明確になった以上、人口ボーナスも消滅しつつあり、経済成長率も落ちてきている中国から、ASEANやインドなどへ軸足を移すチャイナ+1戦略に向かう日本企業の動きが高まることは必然でしょう。

 チャイナ・リスクへの懸念は、程度の差こそあれ、他の国の企業も感じているはずです。論説が指摘するような、中国のサプライ・チェーンに完全に組み込まれている日本の製造業を追い出してしまったならば、簡単に代わりが見つかるというものでもないでしょう。共産党支配の唯一の正統性である経済成長の前提となる対中投資を控えさせるような経済カードの行使は、到底持続可能なやり方とは言えず、中国は、大きな代償を払っていることになります。

 日中間の経済関係は、あまり目先にとらわれず、長期的視点をもって考える必要があります。浮足立ったようなところを見せるのは、最も戒めるべきことです。

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