2024年11月22日(金)

渡辺将人の「アメリカを読む」

2012年11月5日

 本当に起業家的な候補者です。ロムニーは多くの人が勘違いしているような、企業ビジネスマンではありません。アメリカの起業家精神を体現しています。ベインキャピトルはそういう会社です。うまくいってない会社を再生させるのですから。沈みかけているものの中に価値を見出すのがロムニーです。そして蘇生させる。ほかの人が目をつけないところに価値を見出すリスクを、ロムニーは取れます。起業家精神です。党大会の演説もそうだし、キャンペーンに一貫して流れているものです。

ロン・ポール派への厳しい警告

渡辺:ロムニー陣営はティーパーティ票をどうやって確保できますか?

ギルダー氏:ティーパーティ活動家もロムニーを支持すべきです。私は実はティーパーティには同情的です。私は骨の髄までロナルド・レーガン保守です。ティーパーティは歓迎だし、自分もその一員だという意識もある。ロムニーのアジェンダが我々の望むものになっていることに満足しています。支出を削減し、政府を小さくし、減税し、防衛を強くし、アメリカの経済成長の足を引っ張っている規制を緩和すると。

渡辺:ロン・ポール支持者は無視しておけばいいですか?

ギルダー氏:とんでもない。それはできないと思う。しかし、私がロン・ポール派に言いたいのは、アメリカが大いなる選択に直面していることを認識すべきだということです。オバマ政権でもう4年やって、アメリカがもつとは思えない。アメリカの世界でのリーダーシップを弱めてしまった。オバマは経済成長を止めている。ポール派はそうしたことを理解すべきです。
リバタリアンのアジェンダには、私にも共感できるものが沢山あります。私は、ロン・ポールを支持しません。しかし、ロン・ポールを支持している人たちには同情的です。ポール派も4年後にはチャンスを手にできると思うが、このままではそこまでたどり着けない。

現下のようなレーニン主義の状態にあって、その信奉者にとっては事態が悪化するほどいいのかもしれませんが、ポールの理念を実現する前に国が崩壊してもいいとポール派が思っているのであれば、それは馬鹿げています。このままではアメリカはヨーロッパのようになってしまう。社会主義的、停滞した経済、世界でアメリカの指導力の低下などの危機が深まれば、世界はそのとき極めて危険なものになるのです。

ロムニーにレーガンの再来を期待するな

渡辺:ロムニー陣営はヒスパニック票を取れますか?


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