バランスを見ながらもある程度飲み込む度量が王には必要
さらに、この延長でもう一つの話をしよう。事業は物凄く成長しているのに、舵取りしている事業マネージャーが強烈すぎて、組織的にハレーションが起こるようなことがあった。ついていけません、大変すぎます、と現場から声が上がるような事態だ。
ここで、兵法のメンターのもう一人が教えてくれた。
「そんなものだ。将軍は強烈なのだ。将軍は現場に出て戦果を上げてくることが役割であり、例えばキングダムの将軍を見てみろ。みんな物凄く強烈で、手に負えない感があるだろう。でも、彼らはプライドを持って結果を出してくる。事業は最終的には結果が全て。そこに至るプロセスは、バランスを見ながらもある程度飲み込む度量が、王には必要であろう」
なるほど、自分の感想としても、王騎などはまだ話の通じるほうで、王翦、桓騎、麃公等々、隙を見せたらいつ寝首をかかれてもおかしくない印象である(笑)。そうした絶対的な将軍は、プライドも高く、自分の領域では圧倒的な戦果を上げることに物凄く矜持がある。だから、渦中では色々なことが起こっても、預けて見守れば究極の戦果を上げてきてくれる。それをうまくコントロールするのが王の役割だ、と理解できた。
結果として、上述した事業マネージャーは、とにかく結果を出すことから社内での信奉を広く集め、素晴らしい組織が出来上がるという結果になった。
他にも、キングダムの要諦として、
・右腕と左腕のどちらを取るか
・王は、心が強くあらねばならない
・最強の官僚組織を作る重要性
などなど、まだまだ語り尽くせない内容があるのだが、それはまた後日。ビジネスリーダーの指南書としてのキングダム、これを機会にぜひ読み返してみてはいかがだろうか。
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