2024年7月16日(火)

MANGAの道は世界に通ず

2021年7月3日

バランスを見ながらもある程度飲み込む度量が王には必要

 さらに、この延長でもう一つの話をしよう。事業は物凄く成長しているのに、舵取りしている事業マネージャーが強烈すぎて、組織的にハレーションが起こるようなことがあった。ついていけません、大変すぎます、と現場から声が上がるような事態だ。

 ここで、兵法のメンターのもう一人が教えてくれた。

 「そんなものだ。将軍は強烈なのだ。将軍は現場に出て戦果を上げてくることが役割であり、例えばキングダムの将軍を見てみろ。みんな物凄く強烈で、手に負えない感があるだろう。でも、彼らはプライドを持って結果を出してくる。事業は最終的には結果が全て。そこに至るプロセスは、バランスを見ながらもある程度飲み込む度量が、王には必要であろう」

 なるほど、自分の感想としても、王騎などはまだ話の通じるほうで、王翦、桓騎、麃公等々、隙を見せたらいつ寝首をかかれてもおかしくない印象である(笑)。そうした絶対的な将軍は、プライドも高く、自分の領域では圧倒的な戦果を上げることに物凄く矜持がある。だから、渦中では色々なことが起こっても、預けて見守れば究極の戦果を上げてきてくれる。それをうまくコントロールするのが王の役割だ、と理解できた。

 結果として、上述した事業マネージャーは、とにかく結果を出すことから社内での信奉を広く集め、素晴らしい組織が出来上がるという結果になった。

他にも、キングダムの要諦として、

・右腕と左腕のどちらを取るか

・王は、心が強くあらねばならない

・最強の官僚組織を作る重要性

 などなど、まだまだ語り尽くせない内容があるのだが、それはまた後日。ビジネスリーダーの指南書としてのキングダム、これを機会にぜひ読み返してみてはいかがだろうか。

  
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