2024年11月22日(金)

喧嘩の作法

2013年1月15日

 こういう人物はマークしておいて、次の機会にはこちら側の弁護士として採用するかどうかを検討すべきであろう。身を以て痛い目にあったときには、それぐらい考える方がいい。優秀だと思ったらこちらに取り込むという選択は合理的である。

 スキルのある弁護士をどのように味方につけるか。多くの日本企業は長い間取り引きをしている法律事務所に新しい案件をそのまま依頼する傾向がある。それはそれで自社の事情も理解してくれていて楽だし、義理もある。しかし勝つという観点でスキルのある弁護士を見抜くことは大切である。それは中国だけでなくアメリカや他の国でも同様で、そのことにより裁判での勝率はあがる。

 中国の地方企業との裁判は10年を費やし最後に北京で勝った。彼らは侵害品の生産は既に数年前に中止し、今ではドイツ企業の製品を模倣している。うるさい相手には近づかない方がいいとの教訓を彼らも得たということになるが、それは攻める訴訟の副次的効果でもある。実際によく権利行使する企業の商品は模倣品が少なくなる。模倣品をつくる側もリスクはできるだけ負いたくないのは当然であり、模倣品をつくる側が次に狙うのは、うるさくない相手の商品ということになる。

◆WEDGE2013年1月号より

 

 

 

 

 

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。


新着記事

»もっと見る