2024年4月30日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年1月24日

 論説では、韓国との交際を過たないよう、安倍政権を諭していますが、一言にして要約すると、ソウルと東京がいがみ合うことは北京を利し、米国との同盟を弱め、権威主義に手を貸し、民主主義を弱めるゆえに、安倍氏はよほど言動・政策に注意すべし、ということです。具体的には、歴史認識問題や竹島問題です。そして、よく読むと、韓国の対日ナショナリズムに対しても牽制を忘れていません。

 同時にグリーンは、安倍流レトリックがいくらか丸くなり、現実的になりつつある様子を察していたと見え、「新政権はイデオロギーよりもプラグマティズムへ動くであろう」と書いていますが、この観察はピタリと的中しています。韓国で中道右派の朴槿恵氏が次期大統領に選出されたことも幸いして、安倍政権の対韓外交は、極めてプラグマティックなものとなっています。

 グリーンは、文中、日本の防衛政策が現実的なものになりつつあるのは歓迎すべきである、日本の軍国主義という亡霊が復活するかどうかより、日本がいま自分の防衛政策をがんじがらめにしていることの方がより大きなリスクである、集団的自衛権が行使できるようになると、日米同盟はNATOや、米豪同盟の姿に近づく、などとして、日本の防衛強化に期待を示しています。安倍政権の防衛政策が、その方針通り実行されることが、強く期待されます。

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