モバゲーでは他人を誹謗中傷する書き込みは削除されるだけでなく、会員は利用停止や退会処分などのペナルティが科せられる。同社経営企画本部の金子哲宏部長は「モバゲーの運用ルールは相当厳しい。不適切な利用はかなり少ない」と話す。
いたちごっこの終わりは見えない
だが、警察庁の「少年のインターネット利用に関する調査研究会」座長を務めた群馬大学の下田博次名誉教授は「大手が監視を強化しても、子どもは管理の緩いサイトに移っている」と指摘する。事実、モバゲーでは対策を始める前の06年には、会員の7割が10代だったが、現在は18%まで減少している。
書き込みが削除できない海外のサーバーを使う子どももおり、ヒトやカネをどれだけつぎ込んでも、子どもたちはいとも簡単に大人たちの監視の目をかいくぐっていく。最近では隠語だけでなく文章を画像や動画にして、そのリンクを書き込むケースもあるという。
テキスト解析のJetrunテクノロジ・事業管理推進部の佐久川泰海氏は「画像や動画を機械的に検索するのは不可能」と話す。先端テクノロジーを駆使しても子どもたちをネット上で捕らえるのは難しい。ネットいじめをなくそうとする大人といじめる子ども。両者のいたちごっこの終わりは見えない。
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