2024年11月22日(金)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2013年1月23日

 具体的には、例えば基層幹部選出の直接選挙の導入や人民代表大会と政治協商会議の職能の変革。さらには司法機構改革と汚職防止制度の確立。加えて政府の職能改革までを俎上にのせているのだ。

 また全19の項目からなる深圳改革措置では、上から8項目が国民の政治参加――もちろん共産党の一党支配を前提としたなかでのことだが――を進める内容となっていて、このことは広東省内外でも大きな話題を呼んだのである。

 そのなかには区長選での差額選挙(信任ではなく、一定の割合で落選者が出る選挙)の導入の検討や、また条件が整ったらという前提ながら市長さえ将来的には選挙で選ぶとの目標を掲げたのだ。

 汪は、権力の監視というメディアの役割や「行政権の三分」にも言及している。

注目される汪洋の人事

 この汪がどう遇されるかは、すでに「ウェッジ」(1月号「習近平新体制が 映し出す中国の未来」)でも書いた通り、おそらく副総理なのだろう。そこで彼に与えられているのは高齢の党の政治局常務委員に代わって実務を取り仕切ることだろう。

 日本では「トップセブン」といって彼らの間の多数決だけが政策を決定するすべてのように語られるが、そもそも7人でどこまで目が届くのかを考えれば、むしろ象徴的な職務になりかねないポストと考えた方が現実的ではないだろうか。

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