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2022年1月22日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

338議席中308議席、95%を的中

 その結果、選挙結果との合致率が95%という高い数字を叩き出した。言い換えるとカナダの国会議員の議席338のうち、Pollyは308の議席を正しく予測し、次に正しい数字299議席を打ち出したのは別のAI、338Canadaだった。338Canadaは選挙予測のためだけに作られたAIで、Pollyの成績はこれを遥かに上回った。

 さらにPollyはカナダ国内での新型コロナワクチンに関する人々の意見を網羅して分析、ワクチンを忌避する人、その社会的背景などから、ほぼ正確にカナダのワクチン接種率予測を数字化することにも成功している。社会的背景には年収、人種、家族構成、政治的信念なども含まれ、年収の相違により人々の意見や行動がどう変化するか、などの細かいグラフ化も行われた上で、Pollyが総合的な分析を行う、という流れだ。

 このPollyが、今年9月からGA(ゼネラル・アベイラビリティ=一般に公開される)製品として広く提供される、という。製品名はAskPollyだ。スマホ上のアプリを用い、Pollyにあらゆる質問を行うことができるようになる。例えば「米国の中間選挙の結果」というように、国や地域、特定のトピックを設定することが可能となる。

 これを使うと、グーグルの検索のような手軽さでさまざまにグラフ化された特定のトピックに関する情報を得ることができる。例えばコロナの迅速検査キット、米国、という検索ワードを打ち込むと、地理的な違い(南部の州では関心が低く、北部や西部では高い)や信念(ワクチン反対派は迅速検査にも否定的だが、迅速検査により大勢での集まりが可能、という要素が加わると否定派の数がおよそ半分に減る)などの詳細な数字を得ることができる。

 カナダで行われたAskPollyを使ったEVについての反応も興味深い。まず電気自動車(EV)について議論するのは「年収の高い人」が多く、またEV購入の意図について「排気ガスを出さない」「EVの航続距離も伸びている」「社会的に正しい方向」などが出てくるのだが、一方で「クルマ好き」の間では「EVのパフォーマンス、性能」が最も重視される。

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