2024年7月25日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年2月14日

日本も科学的、建設的な議論を

 日本に関しては、2011年の東日本大震災による福島原発の事故により、それまで54基あった原発はほとんどが稼働停止となった。10年経った21年3月現在で、定期検査中も含めて稼働中のものは9基のみである。また、21基につては既に廃炉することが決まっている。今後、現在停止中の原発をどのように再稼働して行くのか、廃炉の決まった原子炉の放射能物質の処理をどうするのか、具体的道筋がまだ見えて来ない。

 日本の中長期的エネルギー政策をどうするか、脱炭素社会の経済構造をどうするかなど、感情的短絡的議論ではなく、より冷静で科学的、建設的かつ世界的視野をもった論議を期待したい。

 21年夏には、持続的エネルギーとされている太陽光パネル設置の土地開発で、水害による人的被害が大きくなったという指摘もあった。ただ、論説でも指摘された通り、事故があったから使用ゼロではなく、事故の再発防止を徹底して行く方向で、技術が人間の生活にもたらす恩恵には真摯に向き合って行く姿勢が大事ではないだろうか。飛行機にしても、車の交通事故、ロケットなどにしても、そうして継続されているのだろう。

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