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World Energy Watch

2022年2月4日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

 今回の本連載では、太陽光パネルの廃棄がエネルギー安全保障の強化につながることを証明したい。

 2012年に導入された固定価格買取制度(FIT)の大きな後押しがあり、日本での太陽光パネルの導入量は、大きく増加した。今、中国、米国に次ぐ世界3位の導入国になったが(図-1)、導入量の増加に伴い表面には出ていない問題がクローズアップされるようになった。稼働期間が20年から30年とされる太陽光パネルの大量廃棄の問題だ。

 関係省庁も廃棄に関する制度の整備を行っているが、今後事業者の廃業などにより不法に放置されるパネルも出てくるものと思われ、大量のパネルが設置された地域にとって、将来の廃棄処理が問題になる可能性がある。一方、パネルのリサイクル技術とビジネスモデルを確立すれば、中国製メインの輸入パネルに9割依存する供給を国内生産に切り替えることも可能になり、エネルギー安全保障強化につながる。廃棄をどう進めるかから、一歩踏み出した視点が必要だ。

広大な土地を必要とする太陽光発電

 昨年12月、青森県に出張する機会があり、六ケ所村にある大規模太陽光発電所の近くを車で通りかかることになった。道路から一見すると沼か池のように見える(写真)。この大規模太陽光発電所は、道路脇に設置された説明看板によると「ユーラス六ケ所ソーラパーク」と呼ばれ、15年10月1日に運転開始。6万キロワット(kW)と5万5000kWの設備容量を持つ2つの地区に分かれている。

(筆者撮影)

 写真は、30万2000枚のパネルが利用されている6万kWの設備だが、面積は140ヘクタール、140万平方メートル(m2)とされている。5万5000kWの設備の面積113ヘクタールを合わせると、東京ドーム50個分に相当すると説明されている。

 発電量は、一般家庭約3万8000世帯に相当とある。家庭の標準的消費量は年間3200kWh程度と想定されるので、年間発電量は約1億2200万kWh程度になる。この発電量は、設置されている面積を元にすると火力発電設備、原子力発電との比較では随分と小さいものだ。

太陽光発電設備の泣き所低利用率

 日本の事業用太陽光発電設備は約5000万kW。新聞では標準的な原発50基分と書かれることが多い。原発1基を100万kWとして設備の大きさを計算するのは間違いではない。ただし、発電する電気の量で考えると数字は全く異なる。

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