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Wedge OPINION

2022年1月24日

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石川和男 (いしかわ・かずお)

政策アナリスト

1965年生まれ。89年東京大学工学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。電力・ガス自由化や再生可能エネルギー開発振興、環境アセスメントなどに従事。2007年に退官後、内閣官房企画官、内閣府規制改革会議専門委員などを歴任。現在、社会保障経済研究所代表。著書に『原発の正しい「やめさせ方」』(PHP新書)など多数。

脱炭素の議論が加速する中、日本では、欧州に倣い、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーに熱い視線が注がれている。だが、島国・日本の地理的特性を考えれば、欧州とはまったく異なる現実がある。「Wedge」2022年2月号に掲載され、好評を博した記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
中部電力浜岡原発は何ら法的根拠のない「要請」によって停止されたままの状態だ
(Jiji Press Photo)

 年末年始、日本列島を襲った大寒波の最中、私の脳裏をよぎったことは、「この状況で大規模停電が発生したら、間違いなく多数の死者が出る」ということだった。

 だが、多くのメディアは積雪による生活や交通機関などへの影響を報じるだけで、エネルギー政策を見直す機運が高まることはなかった。

 原発再稼働が遅々として進まない。2021年度の冬季、とりわけ2月の供給予備率は東京エリアや中西日本6エリアで安定供給に最低限必要な3%の水準ギリギリの見通しである。

 そうした中で、年末年始同様、あるいはそれ以上の大寒波などが再び日本を直撃し、すでにフル稼働状態にある火力発電所で何らかのトラブルが発生すれば、大規模停電が現実のものとなるだろう。そんなことはあってはならないが、政権与党がベースロード電源である原子力発電の全国的再稼働の政治決断から逃げ続ける限り、電力需給ひっ迫は年間を通じて起こる。いずれ、日本は、コロナ禍における行動(経済)制限と同様、電力供給力に応じた範囲にまで経済が萎縮するような状況にまで追い込まれる可能性すらある。

 冷静に考えてほしい。これまで、国民の長寿化や健康増進をもたらし、戦後日本の高度経済成長を支えた大きな要因の一つには、電力の安定供給があった。そして、それを支えたのは、火力と原子力など『大量・安価・安定』電源であった。

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