1月1日、EUの欧州委員会は、原発と天然ガスを脱炭素に資するグリーンなエネルギーと認定する方針を発表した。EUは、環境的に持続可能な投資であるか否かを分類する「EUタクソノミー」という制度を設けており、今回の方針によれば、これに原発と天然ガスを追加するとしている。
タクソノミーの草案では、原発への投資については、2045年までに実施されること、廃棄物処理計画が策定されていることを条件に、持続可能な投資であると認定される。また、天然ガス投資についても、「過渡的」エネルギーとしてグリーンのラベルを得るが、30年末までに許可されるガス発電はキロワット時あたり270グラムのCO2排出にとどめること、より排出量の多い石炭など伝統的な化石燃料を代替することを含む、さらに詳細な条件を満たさなければならない、などとなっている。
フランスは原子力の推進を要求しており、南欧・東欧州諸国は彼らの電力源の太宗を担う天然ガスを罰するべきではないと要求してきた。これに対し、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルグ、スペインなどは、原発をグリーンと分類することに反対で、オーストリアの気候・エネルギー大臣は欧州委員会を訴えると言い、ルクセンブルグのエネルギー大臣は「これは挑発である」と息まいている。スペインの環境保護大臣も、今回の草案について「EUのエネルギー以降において誤ったシグナルを発する」と批判した。
今回の方針が成立するには、EU加盟国の過半数及びEU議会の過半数の賛成を必要とする。今後の成り行きを見る必要があるが、欧州委員会の現在の方針が通ることになるだろう。
天然ガスについては、今付されている条件で、グリーンであると認められることになるだろう。これには上述の南東欧州諸国に加え、ドイツも賛成している。