インターネットによる情報革命をきっかけとして、製品のデザインやコンセプトを決めて、世界的に最適な部品調達と組み立て地を選ぶ、製造過程の革命に日本企業は遅れたのである。本社と下請けを垂直に統合した生産モデルが行き詰まった。
「日本式モノづくりの敗戦」(野口悠紀雄著・東洋経済新報社)のなかで、野口教授が指摘している「ファブレス化」である。本誌がなんどか取り上げている中国の巨大組み立て専門工場もまた、その生産過程のひとつのブロックである。
欧米の財務当局者が「円安を容認」のなぜ
そして円高である。「アベノミクス」の理論的主柱である、イェール大学の浜田宏一名誉教授が「アメリカ経済は日本経済の復活を知っている」(講談社)のなかで、欧米のメディアを引用しながら説くように「日本の経営者ばかりを批判するのは間違いである」という視点である。
円高の正体が、浜田教授が指摘するように、日銀の無策にあるとしても、欧米の財務当局者からいま、円安の動きを容認する発言がなぜ出ているのか。
これもまた、フィクションとジャーナリズムが融合して、経済ドラマとなるテーマである。
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