2024年11月22日(金)

うつ病蔓延時代への処方箋

2013年2月26日

―― 職場うつを発生させないためには、どのような経営と職場が理想的だと考えていますか。

天野:職場は生活の糧を得る場であると同時に、人々が助け合いながら生きていく場でもあると考えるべきです。そのためには、トップが率先してストレスの少ない職場をつくり、生産性を高めて、不要なコストをセーブして、企業の競争力を高めるべきです。容易にはいかないかもしれませんが、企業経営者として、そこに活路を求めなければ発展はないでしょう。

 円安が進めば為替差益が企業に蓄積されますが、それを海外の拠点拡大に投資すれば、日本の雇用は拡大されず、そのうち日本国籍の企業であっても、社員の大多数は外国人になってしまうでしょう。日本の職場ではリストラの不安やストレスが蓄積され、メンタル不調者の増加を顧みずに、企業が利益を求めるのは、投資家や経営者個人のエゴとしか思えません。グローバル経営とは、日本人の雇用をしっかり支えたうえで、諸外国の企業と連携や競争しながら、人々が笑顔で過ごせる職場を作っていくことだと思います。

(記事内写真 撮影:著者)

[特集] 「心の病」にどう向き合うべきか?

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