2024年11月24日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年3月6日

 上記の論評には、F-35の生産停止等、日本にとっては非常に好ましくないことが書かれています。オハンロンは、そうなることを防ぐために、あえて極論に言及していると思われます。いずれにせよ、「債務削減合意ができなければ、国防費は強制削減」という方針は続いています。その中で今言えることは、次のようなことでしょう。

 (1)イラクとアフガニスタンでの戦費がなくなるだけで、「10年間で5000億ドル」という数字の半分以上は達成できるでしょう。そして10年間で5000億ドル削減しても、米国国防費は世界全体の38%を占めると言われます。

 (2)米軍には、2つの大規模地域紛争に同時に対処する能力は次第になくなって行くでしょう。そうなると、中東とアジア間でのゼロ・サム的要素が強まりそうです。

 (3)グローバルな基地配置の合理化が推進されるでしょう。普天間の問題を早目に解決しておかないと、海兵隊縮小の口実とされかねません。

 (4)今後、米国は、日本に対してより多くの防衛努力を求める一方で、対中関係では自制を求めるという、相矛盾した政策を追求することになりそうです。

 (5)予算削減、削減と縮小ムードですが、米国経済は上げ潮ムードにあり、今後、パラダイムは逆転して行くかもしれません。

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