復興庁よ もっと被災地へ
復興庁はワンストップか、単なる調整官庁か (出所)ウェッジ作成
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安倍新政権が強化すると宣言している復興庁にも同じ問題が見え隠れする。東京に本庁があり、しかも調整官庁だったため、これまで被災地ではどうしても影が薄かった。
「復興庁も頑張ってくれている。こちらから要望を出せば、一生懸命調整してくれている」(戸田市長)という声はあるが、被災地の実情を先回りして解決する次元には至っていない。
右図のように、あくまで様々な復興事業は霞ヶ関の各省庁が主管している。復興交付金事業は復興庁が前面に出るが、それでも実施は各官庁だ。南相馬の農地基盤整備事業や、「震災復興を加速させるために」(2)の女川の旅館再建で触れたように、実情に合わない規制や、事業と事業のバッティングが至る所で発生している。復興庁が単なる調整官庁ではなく、復興のワンストップ官庁を標榜するなら、もっと地元に入り込んで、市町村や地域住民の利害調整、計画立案に主体的に関わっていくべきだろう。
野党時代の自民党・公明党は、11年夏から冬にかけて復興庁の設置に否定的な民主党政権を激しく追及していた。ある自民党議員はこう言っていた「戦前、官民の有為な人材が満州に飛び出て、本土ではできないチャレンジングな取り組みを行った。そして彼らが戦後の日本で活躍した。満州と言うと否定的に捉える人も多いが、被災地で起きていることは日本の将来の先取りでもある。復興に人材をもっと投入しないといけない」。その心意気や良し。新政権の舵取りに期待したい。
(撮影:編集部)
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