BBC News

2022年5月9日

»著者プロフィール

東欧訪問中のジル・バイデン米大統領夫人は8日、ウクライナ・ウジホロドの学校で同国のオレナ・ゼレンスカ大統領夫人と対面し、会談した。ウジホロドはスロヴァキア国境沿いの町で、バイデン夫人はスロヴァキアから国境を越えた。2月24日にロシアの軍事侵攻が始まって以来、ゼレンスカ夫人が公の場所に出るのは初めて。米政府とカナダ政府は同日、ロシアに対する追加制裁を発表した。

2人の大統領夫人は、避難してきた人たちの仮設シェルターとして使われている学校で対面した。バイデン氏は、「アメリカの人たちがウクライナの人たちを支援していると示したかった」と、訪問の目的を話した。3カ月目に入った戦争は「残酷」なもので、終わらせなくてはならないとも強調した。

ゼレンスカ氏は、戦時下のウクライナをアメリカの大統領夫人が訪れるのは「勇敢な行為」だったとたたえた。さらに、5月8日はウクライナでもアメリカでも「母の日」にあたるため、この日の訪問はとても象徴的だと話した。

「これほど大事な日に、みなさんの愛と応援を実感します」と、ゼレンスカ氏は感謝した。

両夫人はこの後、学校内で宿泊する十数人の子供たちと共に、工作に参加。地元のシンボルのクマを、ティッシュで作るなどした。

戦勝記念日の前日に対ロシア追加制裁

米財務省は同日、ロシアに対する追加制裁を発表した。制裁対象には、ロシア最大手銀行のズベルバンクや最大の非国有銀行ガスプロムバンクの役員など計2600人が含まれ、ビザ発行が制限される。国営テレビ3局や軍事関連企業を戦争行為への加担を理由に制裁するほか、ロシア政府に協力する財閥の資産隠蔽(いんぺい)に協力する金融サービス企業も制裁対象となる。

この日にはカナダのジャスティン・トルドー首相がウクライナ・イルピンを予告なしで訪れた後、ゼレンスキー大統領と対面で会談した。イルピンは首都キーウの近郊で、開戦当初ロシア軍の激しい攻撃を受けた。

ゼレンスキー氏と会談後の記者会見でトルドー首相は、ウクライナへ追加軍事支援を提供するほか、ロシアの個人や法人への追加制裁も発動すると発表した。

トルドー氏は発表後にロイター通信に対し、「西側はプーチンがしていることに断固として対抗していく。そう固く決心している。このことをプーチンは理解する必要がある」と述べた。

「違法な戦争、エスカレーション、さらにウクライナを侵略したことであえて越えてはならない一線を越えたこと。こうしたことから私たちは世界として、彼が確実に敗北するよう、できる限りのことをしていく」と、トルドー氏は強調した。

アメリカとカナダの追加制裁は、ロシア政府が重視する5月9日の「戦勝記念日」(第2次世界大戦の対独戦勝利の記念日)の前日に発表された。

8日にはさらに、主要7カ国(G7)首脳がゼレンスキー大統領とオンラインで会談し、ウクライナ支援の継続を約束した。G7は声明で、「(プーチン大統領の)行動が、ロシアとその国民による歴史的な犠牲に恥辱をもたらす」と非難した。

他方、欧州連合(EU)は対ロ制裁について、第6弾の内容を最終調整中だが、ロシアにとって巨額の収入源になっているロシア産ガス・原油の購入については合意を得られていない。EU諸国は天然ガス供給の約4割をロシアから得ている。

EUではウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が4日、ロシア産原油の段階的な輸入禁止を加盟国に提案している。だが、外国筋によると、ロシア産原油への依存度が高いハンガリーの反対が続いているため、調整が進まない状態だという。

(英語記事 Ukraine war: First ladies meet as US announces new sanctions

提供元:https://www.bbc.com/japanese/61375136

関連記事

新着記事

»もっと見る