2022年8月14日(日)

BBC News

2022年7月22日

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米連邦議会襲撃事件を調査している下院特別委員会が21日夜、開かれた。ドナルド・トランプ前大統領について、暴動をホワイトハウスのテレビで見ていて、自らの子どもたちや側近らから暴徒を非難するよう「懇願」されたが、それを無視したとの証言が出た。

この日の下院特別委では、8回目の公聴会が開かれた。昨年1月6日の事件当日、トランプ氏が187分にわたってどう行動したかが描き出された。

トランプ氏は当日、ホワイトハウス内の私的な食堂で2時間半以上、FOXニュースで暴動のもようを見ていたという。

エレイン・ルリア委員(民主党、ヴァージニア州)は、「トランプ大統領はダイニングテーブルに座り、テレビで攻撃を見ていた。最高幹部や最側近、家族らは、アメリカの大統領に期待されることをするよう、彼に懇願した」と述べた。

同委員はまた、歴史的な出来事の最中、ホワイトハウスの主任カメラマンが写真の撮影を望んだが、やめるように言われたと話した。

一方、ホワイトハウスの国家安全保障担当の元職員は、当日のホワイトハウスの職員たちについて、議事堂で起きていたことによって「ショック状態」だったと述べた。この元職員は、身元がわからないよう、発言の際の音声が加工されていた。

ツイートが「ガソリンを注いだ」

この日の委員会では、トランプ氏の顧問だったパット・シポローネ氏のビデオ証言の一部が再生された。その中で同氏は、暴動を非難する強い声明を出すよう、トランプ氏に求めたと述べた。

さらに、トランプ氏の娘イヴァンカ氏と息子ドン・ジュニア氏も、暴徒にやめるよう呼びかけるよう、トランプ氏に求めていたと指摘された。

一方、サラ・マシューズ元大統領報道官は、当時のホワイトハウスの同僚の1人について、トランプ氏が暴動を否定すれば「メディアに勝利を渡す」ことになると主張していた、と証言した。

マシューズ氏はまた、トランプ氏が事件当日の午後2時24分に投降したツイートが、「火にガソリンを注ぐ」ことになったと述べた。そのツイートは、マイク・ペンス副大統領(当時)について、議会でバイデン氏の当選を証明するという憲法上の義務を拒絶する「勇気がなかった」と、攻撃するものだった。

マシューズ氏と、国家安全保障担当の副補佐官だったマシュー・ポッティンジャー氏は、このツイートを受けて辞任する気になったと証言している。

暴動が始まってから3時間7分後の午後4時17分、トランプ氏はホワイトハウスのローズガーデンで録画した映像を公開した。同氏はその中で、暴徒たちを「とても特別だ」とたたえたが、解散するよう求めた。

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動かなかったとの指摘

委員会のベニー・トンプソン委員長(民主党、ミシシッピ州選出)は公聴会の冒頭で、「1月6日の187分間、抑え切れない破壊的エネルギーを持ったこの男性を動かすことは不可能だった」と述べた。

「側近にも、盟友にも、暴徒らの激しいかけ声にも、そして暴徒に立ち向かう人々の必死の訴えにも、彼は動かされることがなかった」

民主党主導の委員会に2人いる共和党議員の1人、アダム・キンジンガー委員も、トランプ氏について、「彼は行動しないことを選んだ」と述べた。

委員会ではまた、トランプ氏が警察当局や国家安全保障のスタッフに一度も電話をかけなかったことが示された。

さらに、トランプ氏が1月7日に前日の議事堂での暴力を否定した、未公開の映像が再生された。

その中でトランプ氏は、「選挙が終わったとは言いたくない」と、台本を読んでいるような様子で話していた。

トランプ氏は反発

この委員会は、共和党のトランプ氏が2020年11月の大統領選で民主党のジョー・バイデン氏に敗北したのを覆すため、違法な行動を取った疑いについて立件を目指している。

これまで、トランプ氏が議会手続きの妨害や、米国民を欺く陰謀、証人買収などの罪を犯したとして、訴追するのに十分な証拠がある可能性を示唆している。

委員会はまた、トランプ氏が「権力の座に居座りたいという利己的な願望」に突き動かされていたと主張している。

一方、2024年大統領選に再び立候補する可能性を示唆しているトランプ氏は、この委員会による調査を、民主党政権の「惨事」から国民の目をそらすための、つるし上げ裁判だと訴えている。

アメリカが40年ぶりの高インフレに見舞われる中、バイデン氏の支持率は、現代の現職大統領の中で最低水準に落ち込んでいる。

(英語記事 Trump ignored pleas to condemn riot - hearing

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62261933

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