2022年12月10日(土)

天才たちの雑談

2022年8月18日

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未来の車はどうなる?
住所さえも不要になる?

黒田 「そのうち充電できたらいいや」というのならば、飛び交っている無駄な電波のエネルギーを集めて少しずつ充電するという手もありますね。加藤先生の自動運転の世界では、車が走りながら道路から充電を受けるというのは、これはもう現実に実験が始まっていますよね。

加藤 それこそ走っている電気自動車(EV)に充電するという研究は東京大学でやられていますよね。

黒田 だから、外で何かをしながら充電されるというのは、10年後は当たり前になっているんじゃないですかね。車もスマホも、あらゆるものがそうなっているかもしれない。

江﨑 車が使うエネルギーってとても大きいんですよね。ガソリン満タンの状態で、30軒分ぐらいの家を1週間ぐらい賄えます。タイヤという摩擦の塊で道路を走っているから、すごいエネルギーが必要なんです。

黒田 考え直さないといけませんね。

江﨑 10年後ならば、車のタイヤを人間と同じ足のようにして、摩擦が小さくなるように進めば、モーターが一緒でも、エネルギー効率は確実に上がります。

黒田 加藤先生が取り組んでいるように、ぶつからない自動運転の車が実現すれば、車があれほどがっしりした鉄で囲まれている必要はなくなるのではないですかね。

加藤 プラスチックカーなどが研究されていますよね。

黒田 そうするともっと軽いでしょう。そもそも頑丈な固い鉄を作るときにたくさん二酸化炭素(CO2)を出しているんですよね。

江﨑 さらに、自動運転にするとブレーキを踏まなくてよくなります。ブレーキが摩擦熱でエネルギーを無駄にしている上に、最もエネルギーが必要なのが、加速する際なんです。加速しなくてよくなれば、エネルギー効率はとても上がるので、車の燃費がよくなるんですよ。

2021年の東京五輪の選手村では、ティアフォーの自動運転システムを搭載したトヨタ自動車の自動運転EV「eパレット」が移動の足として提供された (TTAKASHI AOYAMA/GETTYIMAGES)

加藤 僕は、自動運転は車ではなくてもいいのではないかなと思っています。EVになると、そこに電気がある。スマホも充電できるし、音楽も聴ける。マイクロバスぐらい大きければ寝られる。1人暮らしの家と同じぐらいの空間はあるので、1人暮らしの家がなくなったら、結構イノベーションですよね。

瀧口 移動するためではない車ですか。

加藤 家が動いたらよくないですか。

黒田 こうやってしゃべっている間に、空を飛んでいたらうれしいですよね。

江﨑 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)とかが考えているし、私たちも結構考えたんですけど、家ごと移動できたら、別に土地を買わなくてもよくなるのではないでしょうかね。

瀧口 土地の価値って何だろう、となりますね。

加藤 住所がなくなる可能性がありますね。

黒田 電話番号が固定電話ではなく携帯電話になったのと同じように、「住所がないと困る」という世界ではなくなるかもしれません。宅配便も私たちを追っ掛けてきてくれて、「はい」と渡してくれますよ(笑)。

江﨑 最初の「充電しなくてよくなる」ことと関連して、毎日スマホを指で触るという光景もなくなるのではないですか。スマホが喋って、耳で聞いて動けば、別にディスプレーは必要ない。スマホの形態は変わってもいいですよね。

 例えば、運転中に目で見ると危ないので、ディスプレーに出さずに音で指示を入れるわけです。これって元々は目の不自由な人に向けて作ったテクノロジーなんですが、健常者が車で使うテクノロジーに化けているわけです。指と目で使うスマホも全部変えられますよね。

黒田 SF映画ではそうなっていますよね。人は土地ではなく空の高いところに住んでいて、キーボードではなく空間を触ったり喋ったりして画面を操作している。さっきの話は全部SFの中に書いてあるかもしれません。

江﨑 医療現場では、体が動かなくなっているけど、文字を目で追うことで話せる患者さんがいますよね。さまざまな伝達手段(メディア)が使えると、別の利用法をどんどん発見していくんです。

川原 イーロン・マスク氏は頭に電極を刺して、それでコンピューターをコントロールしたりとかもしようとしていますね。

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