2024年5月21日(火)

オトナの教養 週末の一冊

2013年4月25日

――具体的に新しいタイプの政党とはどういったものでしょうか?

飯尾氏:党員がイデオロギーや党の幹部に奉仕するような政党はもう成り立たないでしょう。よく政治家が有権者の意見を聞くと言いますが、一般の有権者は具合が悪いのかどうかを答えることができても、その原因についてハッキリ言うことができないことがほとんどです。ですから、ただ御用聞き的な政治家ではなく、みんなの意見を聞きながら、どういうことが問題で、何が必要なのかを交通整理できる政党が必要になってきます。

 人々が政策や政治に求めていることの議論のプラットフォームとなるような政党。そしてプラットフォームとしての業績や仕事ぶりにより人々に評価され、投票してもらえるような政党になるのが理想ですね。

――いまは政党と一般の有権者の間にかなりの距離があるように感じます。

 飯尾氏:いままでの政治では、政治家に対し利益の恩恵を受けるために応援している人が少なからずいた。そうではなく、みんなの政治にするためには、「楽しい」と思うようにしなければいけない。人間は人の役に立ことや世の中をよくすることには、楽しみを感じる傾向があります。そこで、そうした志に基づく参加意欲を解放する場が必要なのです。

 一般の有権者に政治に参加してもらうために、ものすごく犠牲を強いるのは難しい。そのために政党をプラットフォームとして、意見や考えを述べる意見表明の場をつくる。また、その意見が一方通行ではなく、フィードバックできるような仕組みが必要です。いまはインターネットがあるのだから、そういったものを利用し、ちょっとした待ち時間に意見を書き込むができるような仕組みも考えられる。

 ただ、これは簡単には実現しません。多くの先進国でも政党政治の将来にはそれぞれ悩みがあります。たとえば、ヨーロッパ諸国では政治に熱心な人だけが政党の運営をになうために、政党と一般人との距離を拡げる傾向が出てきています。また、現在のアメリカでは、放っておくと極端な意見の人ばかりが熱心に行動する結果、二大政党の方向性が両極化して、政治の運営が難しくなる傾向にあります。逆に日本は、既存の政党が弱いからこそ、一般の有権者が主役になるような政党が生まれてくる可能性があると考えています。


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