2024年11月22日(金)

J-POWER(電源開発)

2022年9月20日

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INTERVIEW
Jパワー渡部肇史社長に聞く2050年へのトランジション

技術と経験の蓄積が
エネルギーの次代を拓く

渡部肇史(わたなべ・としふみ) 電源開発株式会社 代表取締役社長 社長執行役員

——創立からの70年、どのように総括されていますか。

 人々が求める電力を不断に供給する。その使命を全うすることを愚直に追求してきた年月だったと思います。当社の橋頭堡を築いた黎明期の大規模水力開発はその象徴ですし、石炭火力発電にまつわる数々の技術革新もそのためでした。

 思えば、風力も地熱も原子力も手掛けていますし、今は主に海外で太陽光やガス火力にも乗り出していて、ほぼすべての電源をカバーしています。これらを総じて、経済発展の一助となり、国民生活の向上と軌を一にするかのように成長してこられたことは幸運でした。

——そのようにして構築された基盤を、今後どう生かしていきますか。

 時代の求めに応じて開発した設備は、次の時代に合わせてまた役割を変え、新たな価値を加えて生き続けるものだと考えています。70年間そのことを常に心がけてきましたし、今進めている既存資産のアップサイクルもまさにそういう趣旨です。

 ただし、発電技術は一足飛びに確立できるものではありません。地道な研究と開発により、長い時間をかけて一歩ずつ進めなければ成果は現れません。その経験と知見の蓄積こそが当社の資産であり、そこに立脚して初めて、次のステージが見えてくるのだと思います。当社の場合、それは総合力に裏打ちされたカーボンニュートラル実現への技術革新といえるでしょう。その萌芽が今、見えはじめているところです。

両立してこそ未来がある
安定供給とCO2フリー

——2030年にCO2排出量を4割削減すると表明しています。その先も見越してどう実現させますか。

 技術革新が一朝一夕でなし得ない以上、トランジションともいえるこの時期が極めて重要です。脱CO2は大前提の課題ですが、エネルギーの安定供給も犠牲にはできません。どちらかではなく、どちらも。そのために当社が描いた現実的な道筋が、アップサイクルです。非効率となった石炭火力設備はフェードアウトさせながら、一部の設備には水素発電も可能にする先端技術を加えて使い続けていく。水力も同様に、高効率の最新設備に置き換えることでCO2フリー電源としての機能強化を図る。それが、GENESIS松島計画であり、NEXUS佐久間プロジェクトです。どちらも始動段階ですが、過去の実績がベースにあるため実現可能性は高いと自負しています。

——2052年の創立100周年に向けた展望をお聞かせください。

 「J-POWER “BLUE MISSION 2050”」に示したとおり、カーボンニュートラル実現の目標が達成され、国内外で広くJパワーの存在意義が認知される状況を望んでいます。ただ、それが最終ゴールではありません。創立以来、2050年のもっと先まで徹頭徹尾、われわれが目指しているのは「エネルギーと環境の共生」にほかなりません。