9月下旬には、ロシア国防省は、軍の兵站に責任を持つブルガーコフを解任し、代わりにミジンツェフ大将が任命されたと発表している。また、10月7日、ロシアの黒海艦隊はその司令官がオシポフ提督からソコロフ海軍中将に変わったことを認めた。
兵器も兵士も不足しつつある中での転換か
プーチンは「特別軍事作戦」は予定通り進行しており、その目的は達成されると強弁していたが、キーウ正面での敗退、ハルキウでの敗退を受けて最近はそう言わなくなっている。
住民投票強行、4州のロシア併合をして、あたかもロシアが戦果を挙げているかのようであるが、戦場ではウクライナ側が主導権をもっており、ロシアの占領地域は縮小してきているのが実態である。その状況は今しばらく変わらないと見てよいのではないか。
ロシア軍の問題は、司令官の資質の問題というより、兵器の損耗が激しくそれを十分に補充し得ないこと、兵士の数も不足していることにある。兵器輸入はうまくいっておらず、兵士については、部分動員を強行しているが、若者の国外脱出などにつながっている。
多くのロシア人はこの戦争の大義に納得していないと思われ、士気が低い。部分動員をして兵員を増やせば戦況が転換するという状況にはないように思われる。
ロシア国内では、反戦主義者ではなく、もともと戦争を支持した人々が、戦争のやり方とその情報提供に嘘を言うなと公然と不満を唱え始めている。この世論が司令官の更迭によって鎮静化するか、戦争支持派の分裂になるか、注目される。