2022年11月28日(月)

プーチンのロシア

2022年10月17日

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 ロシアによる侵略を受けて今年の経済成長率がマイナス30%を超えると予想されるウクライナ経済が、回復への糸口を見いだせないままでいる。ウクライナ軍との戦闘で劣勢に立つロシア軍が、電力施設など民間の経済インフラへの攻撃に軸足を移し、さらなる損失が確実視されているためだ。

飲料水のパイプラインが攻撃されたため、ウクライナ国民は飲料水を汲みにいかなければならない状態となっている(ロイター/アフロ)

 ウクライナ政府はこれまで、最善のシナリオでは2023年には15%超の経済V字回復もあると見通していたが、その実現は厳しさを増している。各国政府や国際機関は巨額の支援を約束するが、ロシアとの戦争の出口が依然見えないなか、国民は長期にわたる厳しい窮乏生活を余儀なくされるのは必至だ。

経済の3分の1を消失

 「7カ月以上続くロシアとの戦争は、ウクライナに深刻な人的損失と経済的な痛みをもたらしている。国民の海外流出や、住宅・インフラへの攻撃により、同国の国内総生産(GDP)成長率は今年、マイナス35%に陥ると予想されている」

 10月初旬、国際通貨基金(IMF)が表明したウクライナ経済の見通しは、国際社会に厳しい現実を改めて突きつけた。国家経済の実に3分の1が消失する計算だ。

 「2023年のウクライナ経済は、マイナス0.4~プラス15.5%の成長を予想している。すべては、軍事的シナリオ次第だ」

 ウクライナのスビリデンコ経済相は今夏、欧州メディアにウクライナ経済の復興の見通しをそう語っていた。しかし、「軍事シナリオ」の先行きが依然見えないなか、楽観的な〝V字回復〟は容易には予想できない。

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