2023年2月6日(月)

定年バックパッカー海外放浪記

2022年10月30日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

本当の貧困は山岳地帯の寒村、現金収入がないという生活

 8月7日。ルソン島北東部のスペイン時代の街並みが世界遺産のビガンでホステルのお手伝いをしているウルトラ陽気なロザリーとおしゃべり。ロザリーは日給250ペソ(=625円)で週6日働いている。月に6500ペソ(=1万6500円)ほどになる。

ビガンの宿のお手伝いをしているロザリーと

 朝食・昼食付かつ自転車で自宅から通っているので食費・交通費はかからない。地方都市の安宿としては相場並みの給与らしい。しかも夏場のように閑散期でも客の有る無しに関わらず固定給なので余り不満は言えないという。

 ロザリー曰く「都会なら何でもやって生きていける。ホームレスでも1日座っていれば小遣い程度は稼げる。食堂やファーストフードの残り物も貰えるので食べていける。でも山の中の寒村では小さな畑を耕しても現金収入はわずかだし、天候不順で不作になれば食べるものもないし現金収入も途絶える。そうなったら生きてゆけないわ。スラム街のスモーキーマウンテンで暮らして資源ゴミを集めれば、わずかながらも現金を得られるから暮らしていける。だから村を捨てて都会に出てくるのよ」

 なるほど寒村では小遣い稼ぎすらできない絶対的貧困なのだ。日本で長年働いていたロザリーは深刻な貧困問題を話した後でスマホのカラオケをバックに竹内まりやの『シングル・アゲイン』、テレサ・テンの『つぐない』など昭和歌謡をニホンゴで歌った。

レイテ島オルモック市の浜辺の水上集落。貧しくても魚を採れば貧しくても暮らしていける

以上  次回につづく

  
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