本当の貧困は山岳地帯の寒村、現金収入がないという生活
8月7日。ルソン島北東部のスペイン時代の街並みが世界遺産のビガンでホステルのお手伝いをしているウルトラ陽気なロザリーとおしゃべり。ロザリーは日給250ペソ(=625円)で週6日働いている。月に6500ペソ(=1万6500円)ほどになる。
朝食・昼食付かつ自転車で自宅から通っているので食費・交通費はかからない。地方都市の安宿としては相場並みの給与らしい。しかも夏場のように閑散期でも客の有る無しに関わらず固定給なので余り不満は言えないという。
ロザリー曰く「都会なら何でもやって生きていける。ホームレスでも1日座っていれば小遣い程度は稼げる。食堂やファーストフードの残り物も貰えるので食べていける。でも山の中の寒村では小さな畑を耕しても現金収入はわずかだし、天候不順で不作になれば食べるものもないし現金収入も途絶える。そうなったら生きてゆけないわ。スラム街のスモーキーマウンテンで暮らして資源ゴミを集めれば、わずかながらも現金を得られるから暮らしていける。だから村を捨てて都会に出てくるのよ」
なるほど寒村では小遣い稼ぎすらできない絶対的貧困なのだ。日本で長年働いていたロザリーは深刻な貧困問題を話した後でスマホのカラオケをバックに竹内まりやの『シングル・アゲイン』、テレサ・テンの『つぐない』など昭和歌謡をニホンゴで歌った。
以上 次回につづく