2023年2月8日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年11月10日

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 ロシアはイスラエルとイランの対立に巻き込まれたくないということであろう(シリアでロシアがイランを助けないことは、ロシア・イラン関係の限界を示唆している)。そして、これまでイスラエルが対ウクライナ支援に及び腰だったのは、ロシアを怒らせてイスラエルのシリアにおける空爆が妨害されることを恐れているためである。

矛先は中東各国から米国まで

 今後、域内外でイランが挑発を活発化させる可能が懸念される。イランは、国内の反政府デモに手を焼いているが、独裁国家の常として、国内で問題を抱える時は対外的に緊張を高め、体制を引き締めたいと考えるであろう。

 次にイラン核合意は、欧米諸国が反政府デモと今回の対ロシア軍事支援に対する欧米諸国のイランに対する非難や追加制裁で交渉再開は殆ど不可能になったと思われるが、イラン側が挑発により欧米に圧力を掛けて核合意をイランに都合の良い内容で妥結させようと考えてもおかしくない。

 次のイランの挑発として懸念されるのは、イランの代理者であるホーシー派を利用してサウジとUAEに対するドローン等の攻撃を再開することである。今年3月以来、イエメンでは休戦が続いていたが、最近、ホーシー派が休戦協定を破棄すると宣言した。

 サウジやUAEからの原油の安定供給を脅かせば、原油価格の更なる高騰を招き、イランにとって一石二鳥である。しかも、サウジとUAEは、米国製兵器に依存しているが、原油の減産をきっかけに米・サウジ関係は緊張しており、足並みが乱れているので、イランは、つけ込む良いチャンスと考えるかも知れない。

  
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