2022年12月2日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年11月10日

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 イランがウクライナを侵攻しているロシアにドローンを供与しているとのニュースが大きな話題となっている。ロシアは、何十機ものイラン製ドローンをキーウ攻撃に用い、民家、発電所を含むインフラ施設を攻撃した。米国政府関係者によれば、さらに、イランは、自爆型ドローンを有効に用いるための軍事顧問をロシアに派遣しているという。

Rainer Puster / iStock / Getty Images Plus

 ウォールストリート・ジャーナル紙の10月18日付け解説記事‘Russia’s Iranian Drones Pose Growing Threat to Ukraine’は、ごくかいつまんでご紹介すると、次のように指摘している。

・イランがロシアにドローンを供与していることは、ウクライナとそれを支援する西側諸国にとり新たな脅威となっている。

・イランは更に、ロシアに巡航ミサイルと弾道ミサイルを供与するものと思われている。

・イラン製ドローンがロシアの重要な兵器となった事実はおそらく、今後、イランの指導部による、米国とその同盟国を怒らせるための中東の域外における軍事力行使の先触れとなろう。

・イランのドローン等に対する経験があるイスラエルやサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)は、これまでそれぞれの理由からウクライナと距離を置いてきたが、ウクライナを支援するよう圧力が掛かっている。しかし、これらの諸国がウクライナを支援するか否かは不明だ。 

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 イラン側がドローンをロシアに供給した最大の動機は、金銭的な利益であろう。そして、ロシアを助けることで欧米諸国を困らせることもイランに心地よい話である。しかし、歴史的にロシアは、イランの領土を奪って来たため、イランはロシアを信じておらず、この出来事が抜本的なロシア・イラン関係の改善に繋がるかについては懐疑的である。

 上記の記事は、イランのドローン等に経験のあるイスラエルにウクライナを支援するように求めているが、シリアの問題があるのでイスラエルにとり話は簡単ではない。つまり、シリア内戦でバッシャール・アサド政権をロシアとイランが支えているところ、イスラエルはシリアに展開しているイラン系民兵を自国への脅威と見なし、空爆を繰り返しているが、シリアの制空権を握るロシアは、黙認している。

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