その結果、マイクロファイナンスは人を集めるプラットフォームとしても機能している。貧困層の女性が週に1度集まり、教育や医療について話し合い意識を高めるチャンスにもなっているという。
BRACはこうした取り組みを現在アフリカ5カ国、カリブ2カ国NGO、アジア5カ国の12カ国で展開している。
アライアンス・フォーラム財団は2009年よりBRAC大学と共同でマイクロファイナンスの人材育成プログラムを実施し、2010年にはザンビア中央銀行から若手銀行家を、2012年にはアフリカ14カ国の中央銀行、財務省から若手の役人を受け入れた。
日本企業にとっても知識や経験になる
近年、アフリカは天然資源の価格上昇により経済が堅調で、爆発的に携帯電話が普及している(これについては過去の筆者のインタビュー記事を参考にしていただきたいhttp://wedge.ismedia.jp/articles/-/2696)。
国連開発計画が27日に発表した報告書によれば、経済成長率は昨年までの9年間で平均5.4パーセントに達し、来年は5.3パーセントの見通しを示している。
こうしたアフリカ市場に中国や欧州の企業より遅れをとる日本は、TICADで政府がインフラ整備や人材育成支援策を重点に日本企業のアフリカ進出を後押しするとも報じられている。
最後に原氏はアフリカに進出する企業に対し「マイクロファイナンスを学ぶことは日本の企業が発展途上国でビジネスをしていく上でもっとも重要な知識や経験になる。マイクロファイナンスをしっかり学び、その上でアフリカに繁栄と安定をもたらすために中産階級をしっかりつくることがもっとも重要で、そのことを認識することが日本企業にとって重要だ」と締めくくった。
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